いたがきに関する話題をお届けしている
年3回発行の「いたがき通信」
今回の特集は
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今回は男性スタッフ3名に、
仕事の上での課題や会社への思い、
日頃大切にしている事などをインタビューしました。
平成11年入社 勤務歴12年
商品開発部 橋本 実
橋本: 社長の技を盗むというのは当然ですが、美的センスを身に付けたいと思っています。ハンドルの位置やポケットの高さなど、機能美を持って、しかも自分らしいこれだと言う決定が出来ないでいます。
奥原: 型入れ(1枚の革から取るパーツの種類や位置を決める作業)を主にやっています。直接材料費に関わるので、少しでも革を無駄にしないよう意識しています。取れる量はその革の状態によって変わりますし、自分が未熟ということもあり、安定していないのが課題です。
清: お客様に、より良く、より早く商品をお届けできるように力を入れています。独自のチェック機能を取り入れ、検品済みの商品も再度確かめて発送するなど、工夫をしています。
平成16年入社 勤務歴7年
2010年度いたがき最優秀社員
製造部 型入れ担当 奥原 潤
橋本: 革の厚さとかステッチの幅とか、商品全てのバランスが肝だと思います。
奥原: 鞍シリーズなどのフォルムだと思います。また、革を取る際のこだわりは、シミのある部分は、支障のない別のものに使って、一枚の革をなるべく無駄にしないこと。但し、どうしてもダメな部分、伸びや切れているところは避けています。そういう部分は、タグを作ったりして、捨てるところが無い様にしています。
清: こだわりは名入れで、このタンニン革だからこそと思います。もう一つは、修理ができるということです。修理ができるから何十年も使える。お手入れをすると磨きがかかって艶が出て、普通は古くなると悪くなりますが、どんどん良くなって味が出てきます。物流としても、エコな箱を採用したり、梱包する時も新聞紙を使うなどして、価格を抑えて提供するようにしているところです。また、商品を保管する時には新聞紙は水分を吸うので、プラスチックのパッキンを使うより良いんですよ。捨てずにとっておけば、保管するときに入れておいて型くずれ防止になります。
橋本: 入って2日目で丸一日、「みがき」の作業をしました。半日やって上司に見せたら、こんなんじゃ駄目だと言われて一からやり直し。あの頃は厳しく叱られるばかりでしたが、今思えば職人としての匠の技を手にするのに必要な過程だったと思ってます。
奥原: 外国製で、取り寄せに時間がかかる機械部品があります。入社したばかりの頃、その部品の消耗に気付くのが遅れて1ヶ月ほど機能停止にさせてしまいました。危機管理ができていない、もっと早くに気づかなかったのかと言われましたね。
清: すごく忙しくて商品確認を怠って名入れしてしまい、品物を間違えて発送してしまったことがあります。その時は気が付いて、お客様のところに届く前に止められたので、なんとかご迷惑をかけずに対処できました。
平成21年入社 勤務歴1年半
商品部 物流担当 清 武士
橋本: 特注品を頼むために、わざわざ釧路から赤平まで何回も来てくださった方がいました。ここが良いとか、もっとこうならないかなど、親身になってアドバイスして下さって印象に残っています。作り手ではありますが、販売に出張することも当然あります。その時に印象的だったのが、2,000円のキーケースですごく悩んでいる方がいて、僕もまだ経験が浅く一生懸命説明しました。後日買いに来てくれました時には、25万の鞄を買ってもらうよりも嬉しく感じました。
奥原: うちに機械を卸してくれている日本機材さんという会社があります。小さな会社ですが、深い知識を持った方が居て、良い機械がたくさんあって、しっかりした技術のある会社です。新人の頃は、しょっちゅう電話で聞いてたり本社に来てもらったりして、機械について色々教えてもらいました。
清: 入社したてでショールームに立った時には、商品の使い方がわかりませんでした。ですので、使っているお客様に、逆に使い方を教わったことがあります。最近来たお客様で、2時間くらい悩んでいた方がいたのですが、話を聞いて一緒に悩んだ結果お買い上げ頂きました。
橋本: 自分の部下ができたということは、僕の耳が、手足が増えたと言う感覚です。その手足が僕の分身、それ以上になれば良いなと思います。なるべく仕事を見てもらうようにしています。下が育ってくれば、自分ももっと上を目指さなければならないし、やっと追いかけっこになったのかなと思っています。
奥原: 先輩に頼っていたことが多くて、いなくなってから任せっきりだったことに気づいて、申し訳なかったと思います。先輩がやっていたことを やらなきゃという責任感、型入れは自分が遅れれば全体が遅れるという重圧があり、それに負けないようにしています。
清: 後輩には、自分と同じミスをおかさないように、時間をかけてもいいから確実にできるような人になってほしいと思いながら指導しています。
橋本: 色んな方向で磨いていくしかないと思っています。どこまで自分を職人の域までもっていけるか。知らない事もまだまだあると思うので、常に学ぶ姿勢で、今持っている技術はさらに磨いていきたいと思います。
奥原: 裁断の仕事を全てできるように、なりたいと思います。その為にも、現裁断部門の責任者を力の限りサポートしていきます。
清: 物流でクレームやお客様にご迷惑をかけることをゼロにすることが目標です。入社時の先輩が非常に尊敬出来る方だったので、その方の目配り・気配りの能力がすごく欲しいですね。
■ランドセルの仕様
高さ365mm(取っ手含まず)×幅285mm(本体最大幅/両側ポケット装着時330mm)×厚さ190mm(本体最大厚)、重量
1800g(ストラップ、サイドポケット含む) 販売価格:本体価格155,400円(税込)
※両サイドのポケットはオプションとなります。1個8,400円(税込:両サイドの場合16,800円)
大人世代向け北海道人季刊誌「カイ」ものづくりプロジェクト第1弾として、いたがきが制作を担当して開発した「大人のランドセル」をご紹介します。
ユーザーの要望を直接聴取しながら、サンプリングを繰り返し、試行錯誤しながら2年の月日をかけて完成した自信作です。現代の基本となっているA4サイズが収納でき、背負いやすさを実現した正統派のリュックに仕上げました。
制作には板垣英三(写真中央)主導の元、鞄づくり50年のキャリアを持つ工房最長老の畠山久男(写真右)がアドバイザーとなり、特注制作責任者 勤務歴12年の堀内健一(写真左)が担当しました。完成品は赤平本社ショールームに展示中です。
■お問い合わせは0120-580717まで
■ご注文を頂いてからお届けまでは、約4ヶ月お時間を頂いております。
※カイ・・・「北海道を知る、愉しむ、創る」をコンセプトに、発行されている季刊誌です。
板垣江美 記 いたがき製品企画責任者 代表取締役専務現職 (板垣英三の長女で創業当時より販売、事務、商品企画、製造を経験。いたがき勤務歴27年1993年結婚を機にドイツに在住、2児の母、ドイツの工房運営を夫と共に行いながら日本とドイツを往復する)
私の父(弊社社長)が40歳のころ、初めての海外出張でヨーロッパの国々を訪れました。革をなめす技術やものをつくるための機械はヨーロッパが先駆者で、特にドイツの機械(ミシンや革漉き機)は性能が良いため、いつかは手に入れたいという話をよくしていました。その父の念願が通じたのか、私はドイツに在住する身となり、素材や機械の入手が可能になりました。折角のチャンスの門戸を広げ、いたがきに勤務する人の中から、仕事の内容と将来性を考慮して選抜して、自らが旅行者となり、他国に触れ、見聞を広めてもらいより高い意識を持って、鞄づくりに取り組んでいく基礎力を身につけることを目的として、海外への研修旅行が今年の春、実現しました。
Masure社は、歴史も古く伝統のあるタンナーですが、伝統を引き継ぎながらも、新しいことにチャレンジをしている姿勢を目の当たりにし、とても驚きました。そして革が仕上がる工程は、もちろんのこと、工場も少人数で効率を重視して業務をこなしている姿は、圧巻でした。 僕自身も見習い、いたがきで実践していきたいと思います。
田村 裕之
(平成19 年入社 勤務歴4 年)
いたがきに入社する前に、イタリアに数ヶ月滞在していたことがあり、ヨーロッパの雰囲気を理解していたつもりでしたが、ドイツはまた違った独特の”国文化”があることを改めて感じました。
会社でも英会話に取り組んでいますが、ドイツ語が話せたら、ドイツの方との交流も深められたでしょう。改めて、語学の大切さ、必要性を感じています。
川崎 雅子
(平成18 年入社 勤務歴4 年半)
いたがきの本社は、札幌から車で1時間半ほど北へむかい、旭川・富良野への通り道、ちょうど中間に位置する赤平市の郊外にあります。本社工場とショールームの駐車場からは、西に暑寒別連峰を望むことができ、初夏の頃まで、尾根には残雪が残り、青空に映えてとても北海道らしい風景が広がります。周囲には畑も多く、四季を通して素晴らしい景色を楽しめる場所です。
現在の新社屋が完成して4年目を迎えますが、遠方よりお越しのお客様にくつろいでいただくためのカフェスペースでは、淹れたてのコーヒーをサービスしており、日本各地から赤平を訪れるお客様に好評をいただいています。
最近ではカーナビゲーションの定着で、空港からレンタカーでお越しになる方も増えています。道内のキャンプ場巡りをされている方やバイクでツーリングという仲良しご夫婦、ゆっくり長期滞在を楽しまれる方など旅行の仕方も個性的になってきているようです。
一人でも多くの方々に赤平にお越しいただけますよう、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。
そして、過去3 年間さかのぼって集計しました赤平本店の鞄の売れ筋ランキング(右表)では、鞍シリーズを筆頭に、誕生してから息の長い商品に人気があるのが特徴でした。
順位 | 品番・品名 | 価格 |
---|---|---|
1 | 個性的なフォルムが人気 E919鞍ショルダー 大 |
¥84,000 |
2 | 男性に人気がある E925鞍ショルダー 縦型 |
¥45,150 |
3 | シンプルなデザイン E761ウェーブショルダー |
¥41,475 |
4 | E542A5 ショルダー | ¥39,900 |
5 | E920鞍 ショルダー 中 | ¥73,500 |
6 | E551サイドハンドルバイブルサイズ | ¥31,500 |
7 | E758トートバッグ 大(肩掛けタイプ) | ¥47,250 |
8 | E546A4 ショルダー | ¥78,750 |
9 | E762スクウェアーバッグ | ¥40,950 |
10 | E915鞍 ショルダー 小 | ¥42,000 |
2011年6月11日、赤平のトリム広場にて、
流政之SAKIYAMA(左手奥)建立一周年記念セレモニーが開かれました。SAKIYAMAに続き、「旅法師」の寄贈されました。エルム高原で観賞できます。
赤平市近郊の美瑛町のパッチワークの路には「ケンとメリーの木・セブンスターの木・親子の木」の3銘木があります。もともとこの木達は、隣の家との畑の境界を示すために植えらたようです。「セブンスターの木(カシワの木)」は国道237号の北側にぽつんと立っています。なぜセブンスターの木?と思われる方もいると思いますが、実は、1976年にタバコ「セブンスター」のパッケージに掲載された事に由来しています。このあたりは「パッチワークの路」と呼ばれていて、農作物の色の違いでパッチワークのような風景が楽しめます。
この季節の富良野と言えば、ラベンダーが有名です。 富良野はラベンダーの原産地である地中海地方・南フランスと気候が似ていることから、昭和30年頃から香料採取のため栽培が行われてきました。一時、合成香料の影響を受け衰退の危機を迎えましたが、1人のカメラマンが撮影したラベンダー畑の風景が話題となり、今では全国から観光客が訪れるようになりました。見頃の6月から7月にかけて、富良野一帯に広がる鮮やかな風景は圧巻です。
革は天然の素材で、人の肌と同様に人工のものにはない自然の力、再生する能力があり、毎日タンニンなめしの革に触れていると、その革の持つ力に驚かされることがよくあります。中でも最初は硬くて扱いにくい革、表面が限りなく素仕上げでシミになりやすい革は特に、その再生力を顕著に持ち合わせていますが、お手入れも何もせず、とことん使ってしまうと革の表面が風化して破壊されその再生能力を失ってしまいます。適度にお手入れをしながらご使用になることが、長持ちする秘訣です。
このたびの東北地方太平洋沖大規模地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。今回は、普段、表舞台に登場することが少ない現場の男性スタッフの声をお届けしました!次回号では、続いて女性陣の登場です。乞うご期待下さいませ。