いたがき通信 Web版 Vol.16(2013年夏号)

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あかびら開発室だより ソフトタンニンレザーの新シリーズ

赤平本店ショールームの上にある開発室では、今日も新商品開発や定番商品の改良など、お客様により良い商品をお届けするため試行錯誤を繰り返しながら、ものづくりに励んでいます。

今回は、4月より新登場した「新しいソフトタンニンシリーズ」の開発秘話と、ぜひ見ていただきたい開発者こだわりのポイントをご紹介します。

素材を生かした商品開発

いたがきでは「タンニンなめしの革」という手間のかかる素材を使ってものづくりをしています。その中で2008年に製作を開始してから多くの方にご好評をいただいていたエコバッグシリーズの製作を、この度終了することになりましたのは、材料高騰による皮革産業の厳しい素材調達の現状が影響しています。そのソフト感と軽さに惜しむ声も多く、それに代わる商品の開発が急務となりました。

いたがきの定番商品に使用している革は大半が「栃木レザー社」でなめされたものです。昭和12年創業以来、確かな技術と設備を維持して、安定的に革を供給していただいていますので、昨今の原材料費の高騰にも打ち勝てるだけの高い品質の革を今後も供給していただき、その素材の特性を最大限に引き出して、ニーズに合った製品を作り出していきたいと考えています。

新しいソフトタンニンシリーズ 誕生

今年4月の母の日フェアでご紹介している赤と黒の新シリーズは、タンニンなめしならではの革の質感を持ち合わせながらも、柔らかさも兼ね備えた栃木レザー社のソフトタンニンレザーで製作しています。質の良い高価な革のため、無駄の無いように革の取り都合を考えながら、デザインは好評をいただいたエコシリーズの面影を出来るだけ残して、さらに使い勝手が良くなるように小さな改良を盛り込んでグレードアップした新作です。


M024 ミニポシェット ¥12,600(税込)

こちらは携帯用の極ミニサイズのポシェットです。コートや上着のポケット代わりに携帯電話やハンカチやポケットティッシュを入れて身体の一部として身につけてお使いいただくことをお勧めします。


M004 ショッピングバッグ ¥34,650(税込)

切符やカードを入れられる外ポケットは便利なだけでなく、革の取り都合も良くしています。また、左右の口幅を広げ、肩に掛けたまま中身を出し入れできるようにしました。その真下には便利なペットボトルポケットを配置、長財布も収まる安心のファスナーポケットを付けるなど、内装も完全改良し、生地を無駄なく使い切ることができるようになりました。


M025 スリムショルダー ¥27,300(税込)

お客様より寄せられたご要望からサンプリングを行い誕生した製品。試作を繰り返し、昨年10月の赤平本店創業祭で行った試作品の人気投票で、開発スタッフも予想していなかった程の大差をつけて圧勝し商品化されました。その後、母の日フェアまでの間にもiPadが入るサイズ、スマートフォンが収まる外ポケット、長財布がすっぽり収まる内ファスナーポケットなど、小さな改良を重ねてまいりました。


肩にかけながら、ペットボトルを取り出すことができます。

新しい内装生地

もう一つ大きく変わったのが、今までのいたがきには無かったストライプがアクセントになっている内装生地です。 これまでのエコレザーバッグは、いたがきの中でも見た目にくせのない商品でしたが、持っていて楽しくなるような鞄にしたいという想いから、内装を一新し、生まれ変わりました。面白さもあり、品もあり、流行り廃りなく持てるストライプ模様は、中身を見渡せるよう明るく、なおかつ汚れが目立たない実用性も兼ね備えています。

各アイテム共に、使う方が中に何を入れるのか想定して製作しましたので、ぜひお使いになった感想やご要望をお聞かせください。いただいたご意見を出来る限り反映して、お客様の声と共にいたがきの鞄を進化させてまいります。

そしてこの新シリーズは新しいアイテムの開発を予定しており、毎年オリジナルカラーを決めて商品をご紹介していくことも検討しています。ずっと変わらず長く持ち続けていただける、いたがきの定番商品と同様に、服装や気分に合わせて持ち替え楽しんでいただける新シリーズにもせひご期待ください。

内は、見た目も楽しく、鞄の中身が見えやすいストライプの内装生地を使用しています。

つくるプロから使うプロの方へ いたがきの手仕事<コバ仕上げ>

コバ仕上げはタンニンなめしの革には欠かせない人の手に頼る作業で、その製品の長持ちの程度にも影響を及ぼします。きれいに磨かれたコバ面は、艶やかな光沢を放ち、触っても見てもその精度が分かる職人技の基本ともいえる作業です。

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いたがきが主素材として使用しているタンニンなめしの革は長く使えば使うほどに馴染み愛着が増して、革の本来の良さとも言える経年変化が手に取るように実感できます。革の丈夫さと硬さは比例し、その硬さゆえに仕上げ方にもコツを要します。

写真1:コバと呼んでいる革の切り口を豆カンナで削り落として丸くスムースにします。

革を裁断するときには基本的には革専用の包丁を使いますが、その切り口はシャープで手に当ると痛いくらいです。コバと呼んでいる革の切り口を豆カンナ(写真1)で削り落としてコバ面を丸くスムースにして、サンドペーパーでさらに繊細に仕上げた後、インクを塗ります。丸く仕上げたコバ面をさらに硬く仕上げるために、ふのりを塗布して手磨き(写真2)します。この磨きはキャリアを要する作業で、革の状態により判断して強弱をつけて行います。コバ面を段差なくきれいに磨き上げた後、最後の仕上げにコバ仕上げ材を塗ります。

写真2:ふのりを塗布して手磨きします。

コバ仕上げはタンニンなめしの革には欠かせない人の手に頼る作業で、その製品の長持ちの程度にも影響を及ぼします。きれいに磨かれたコバ面は、艶やかな光沢を放ち、触っても見てもその精度が分かる職人技の基本ともいえる作業です。

私のお気に入り紹介します もう使い捨ての時代じゃないし、気に入ったものを長く使いたいって思いますね。

京王プラザホテル札幌店より加賀谷 繁様 みゆき様ご夫妻(札幌市)

16年程前にいたがきと出会われてから、ご夫婦2人でいたがき製品をご愛用下さっています。「京王札幌店は気楽に来られる場所」と仰る加賀谷様に、スタッフ小坂がお話を伺いました。

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繁様:このショルダーバッグ(EW543)は最近のお気に入りで。外ポケットに携帯や小銭入れなど小間物が何でも入って、すぐに取り出せて便利なんです。ショルダーを付け外しして、通勤から普段の遊びまでオールマイティに使ってます。

みゆき様:すごい可愛がりようなんですよ。テレビを見ながら自分の持ってるいたがき製品を全部広げてメンテナンスしたり。私のタウンボストン(EW560)は初めて買った大好きな鞄で、洋服にも着物にも合うので愛用しています。

小坂:とちの実のアクセサリーなどの組み合わせもお上手ですね。 加賀谷様は会社の記念品にもご利用下さってますよね。

繁様:全国から人が集まる会議に、メイドイン北海道で自分の好きな、いたがきの物を配りたいと思って。差し上げた方から「こんな色になったよ」と見せてもらえたりとか、喜んで使われてるのを見ると企画した側も嬉しいし、安心してお贈りできます。

昔は海外ブランドに興味があった時期もあったけど、歳を重ねるごとにやっぱり日本人として、その土地の物だったり人を愛したいという風に思いも変化して。大量生産品も時には必要かもしれないけど、もう使い捨ての時代じゃないし、気に入ったものを長く使いたいって思いますね。

みゆき様:使い込み方によってその人色に染まるっていうか、物自体も変化していきますよね。そういうところも魅力なのかしら。

EW543 ショルダーバッグB5EW560 タウンボストンをはじめとして、EL206 名刺入れE160S ドル入れ付札入れなど、ほか多数ご愛用

繁様:時代に合わせて変化は必要かも知れませんが、あえて媚びること無く、守るべきものは守っていって欲しいと思います。職人さんを含め、人育てに注力されてる会社ですから、良い物だけでも多分リピーターにはならないし、そこに良い人が加わってエネルギーを生み出しているのがいたがきさんだと思うので。

小坂:ありがとうございます。これからも頑張ります。

贈り物・記念品・ノベルティ 贈って嬉しい、もらって嬉しい。タンニンなめしの革で、思い出に残る記念品を作りませんか?

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いたがきでは、記念品やノベルティのご注文を承っております。お客様一人一人のご希望に合わせて、一つからでも製作を承ります。製作には通常3ヶ月程お時間がかかります(アイテムにより相談可)。お時間にゆとりを頂き同一アイテムを50個以上ご注文の場合には、通常価格より2割引きにて対応致します。

ご利用例 1. 日本オーチス・エレベータ(株)
商品:E105 丸型ドル入れ
用途:社内の表彰の記念品として

また、商品にご希望のロゴマークなどが入れられるオリジナル真鍮版の製作(別途15,000円~)や、無料の個別名入れサービスも行なっており、熨斗やギフト箱(別途ご請求)もご希望に応じてご用意いたします。

ご利用例 2. 学校法人 北海学園
商品:E262 ベルト30mm ロングタイプ
用途:海外からの来賓客への贈り物として

担当者がお客様それぞれに合わせた商品をご提案させて頂きますので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
お申込み・お問い合せは
0120-580717 、または、いたがき各直営店へ。

直営店紹介 ~ようこそいらっしゃいませ!!~赤平本店

湿気の少ない暑さが爽やかな北の夏。北海道にお越しになる皆様には絶好の季節となりました。是非、いたがき本社の地赤平にも足をお運びください。

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赤平本店
〒079-1102 北海道赤平市幌岡町113 番地
TEL 0125-32-0525 FAX 0125-33-7737

今年の赤平本店は、新たな企画が盛り沢山です。ゴールデンウィークには、赤平の老舗菓子店「日高屋」さんと、今話題の浜中町「ファームデザインズ」さんのケーキプレゼント企画を開催しました。 7月20日(土)・21日(日)のいたがき夏祭りでは、前ページでご紹介したコバ仕上げに挑戦していただけるものづくり体験や、富良野の有名店「唯我独尊」さんのカレー販売、大抽選会に加え、今年は小さなお子様から大人までお楽しみいただける新企画も計画中です。 本店ショールームのウッドデッキで周りの美しい自然を眺めながら、北海道の夏を満喫してみませんか?

ものづくり体験が好評のいたがき夏祭り

お車でお越しの場合、札幌から約1時間半、富良野からは約1時間です。また、夏の赤平では昭和47年からの歴史のあるイベント“火まつり”も開催されます。北海道旅行の際には是非、赤平にお立ち寄りください。

ズリ山に火をともす「あかびら火まつり」。炭坑の街だった記憶が年1回よみがえります。第42回の今年は7月13日(土)・14日(日)に開催されます。

さらに夏以降も、赤平本店では催し物が目白押しです。10月には創業祭、11月にはお楽しみ会を開催予定で、この日のための特別商品など、楽しい企画をご用意して、皆様のお越しをお待ちしております。

30周年記念植樹の成長報告
昨年の30周年記念で植樹した桜の木に、今年は小さな花が咲きました。木とともにこれからもいたがきは成長しながら歩んで参ります。

赤平本店スタッフ
私の愛用品

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赤平本店スタッフ
右:原田 裕次の愛用品
EW924 鞍ベルトポーチ 18,900円(税込)
左:藤田 真子の愛用品
B160S ドル入付札入 17,850円(税込)

私の愛用品はEW924 鞍ベルトポーチ 18,900円(税込)です。ベルトをした後からでも脱着可能なので気軽に使いやすく、オン・オフ問わず愛用しています。ポーチの中には携帯電話や小銭入れなどが入り、後ポケットもスリムな束入れや名刺入れが入るようになっており非常に重宝しています。邪魔にならない厚さなので、アクティブに行動される方にぜひおすすめします。

原田 裕次

私の愛用品は、B160S ドル入付札入 17,850円(税込)です。小銭入れが外側に独立して付いているので、急いでいる時にも小銭がすぐに取り出せて便利です。また、外ポケットや札入れの仕切りなど、中身の仕分けがしやすいところもポイントです。使い始めて4 ヶ月位で徐々に革が馴染み始め、今では愛着がわき大切にしています。これからも良い色合いになるのを楽しみにしながら愛用していきたいです。

藤田 真子

EW924 鞍ベルトポーチ18,900円(税込)

B160S ドル入付札入17,850円(税込)

編集後記

今号では素材を生かした新商品の開発に、スポットを当ててご紹介いたしました。 新しいソフトタンニンシリーズに盛り込まれた工夫の数々は、お近くの直営店舗にてぜひお確かめください。 次号も引き続き、新商品の開発について取り上げて参ります。どうぞお楽しみに。