いたがき通信 Web版 Vol.36(2020年春号)

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「いたがきのものづくり」最終回は、いたがきの修理現場から。実際にお客様が使用した愛用品からは、次の製品づくりにつながる多くの学びや発見があります。

いたがき明期を支えたコラボ商品

いたがきでは現在、主に道内の企業からご注文をいただき、オリジナルロゴを製品に刻印するなどのノベルティやコラボ商品を製作しています。北海道日本ハムファイターズとのコラボ商品の製作は3年目になり、好評をいただいています。また最近では北海道の翼・AIR DOよりオリジナル限定デザインの製作をお受けいたしました。
そうした企業との連携事業のきっかけとなったのは、創業者・板垣英三が会社を立ち上げた7年後、まだ鞄が売れず苦しい生活が続いていた時に遡ります。創業したてのいたがきを応援するために、地域の方が飲食店のオリジナルコースターを作って欲しいと依頼してくださったのです。さらに何のご縁か、そのコースターが当時のJR北海道の重役の目に留まり、JR北海道の寝台特急「北斗星」のルームキーの製作受注にまで発展しました。タンニンなめしの丈夫な革に北斗星のメダルをはめ込んだキーホルダーは「寝台特急の狭い列車の廊下でルームキーをぶつけて怪我をしないよう、手に優しい革素材が良い」という先方の声に応えた製品です。たちまち好評になり、利用客から「旅の思い出に持ち帰ることはできないのか?」という声があがるほどでした。 そこで車掌による車内販売のキーホルダーや小銭入れなどを製作することになり、北斗星が2015年春に運行終了するまで販売され、いたがきの黎明期を長く支える製品となりました。 北斗星のルームキーをきっかけに口コミが広がり、「ぜひうちの会社の記念日品に」とノベルティ製作の依頼が少しずつ増え、2009年には働く女性の組織・BPW(日本BPW連合会)の全国大会の記念品としてコースターを製作。こうした地元赤平の縁、北海道の企業の皆さまの支えがあって企業と連携した製品づくりの基盤が徐々に形作られていき、いたがきは成長することができました。

北斗星 ルームキー

北斗星ルームキー

北斗星車内販売品

当時の北斗星車内販売品

地元の教育機関との連携

現在では、企業との連携だけではなく、地域の教育機関とも協力して様々な取り組みを行っています。 その中でも学校の卒業式は子供とその親にとって大きなイベント。赤平市の隣町、滝川市にある北海道滝川高等学校では、2012年から卒業生にいたがきの革キーホルダーを贈っています。シンプルな丸い形のキーホルダーで、真ん中には校章が刻印されています。当時の教員の方から、「以前からいたがきの丸いキーホルダーを愛用している。とても気に入っているので、生徒たちへの記念品に同じものをぜひお願いしたい」と電話がかかってきたことが記念品製作のきっかけになりました。打ち合わせに応じた当時の担当者が見たのは、使い込んで深い色になったキーホルダー。地元で行われているものづくりの良さ、素材の良さを生徒に知って欲しいという先生の思いが伝わってきたといいます。 卒業生向けの記念品の提供だけでなく、今では、工房を飛び出してものづくり体験も開催しています。2018年3月、2019年3月には赤平中学校で行われる「卒業を祝う会」で、オリジナルキーホルダーの製作体験を行いました。卒業を前に、手作りで記念品を作りたいということで同校から依頼を受けたもので、生徒自らコバ仕上げとカシメ打ちを体験し、記念品を手作りしました。製作体験は思い出に残ると生徒、保護者に大好評で今年度も開催を予定しています。 また現在、2022年4月開校予定の赤平統合小学校新校舎の階段の手すりに丈夫なタンニンなめしの革を使いたい、という稀なご用命をいただいています。手縫いでの取り付け作業になるため、熟練職人がお手伝いさせていただくことになり、今から新校舎の完成を楽しみにしています。

キーホルダー

滝川高校卒業記念のキーホルダー

ご紹介したように、いたがきでは地元赤平や周辺企業、教育機関と連携して製品開発、ものづくり体験などの活動を行なっています。地元に支えられて成長したいたがきが今後は、地域の現状と向き合いながら、地方を元気に北海道を魅力ある生活の場にしていけるよう地道に取り組んでまいります。

つくるプロから使うプロの方へ 番外編「一問一答コーナー」

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一枚革

今号は裏地をあえて貼らない「一枚革」の作りの商品をピックアップ。革の 個性や変化をダイレクトに楽しめる一枚革の製品をぜひ一度お試しください。

E565 いたがきランドセル
E565 いたがきランドセル 132,000円(税込)受注製作品

「大人のランドセル」をテーマに開発したA4サイズがすっぽり入る箱型のリュックサック。裏地・内装の無い一枚革の仕様で、その分しっかりとした厚みのある革を使っているので型崩れも少なく丈夫です。

ランドセル 後ろ
ポイント1

背負心地抜群な
背当てのクッション

子ども用のランドセルからヒントを得て、ひと手間掛けたクッションで、重たい荷物を入れても疲れにくい。

ポイント2

持ちやすく丈夫なハンドル

大容量のランドセルの重さを支えるため、革芯を入れて伸びにくく丈夫な作りに。握り心地を良くするため、革のコバが手に当たらないように工夫されています。

ポイント3

体にフィットする
背負いバンド

何度も試作を重ねて導き出したカーブの形により重さを軽減。いたがきの他のリュックサックにも採用されています。

E169 ベルト通付札入れ 8,800円(税込)
E289 ベルト35mm 13,200円(税込)

いたがきの一枚革ベルトは、伸び縮みが一番少なく堅牢な、背中からお尻にかけての革を使用しています。同じく一枚革で作られたベルト通し付きのアイテムも充実。スマートに使える工夫が詰まっています。

ポイント1

片手で開け閉め可能

ホック式なので、ベルトに取り付ければ片手で開閉が可能。薄型なのでスーツの下でもシルエットを崩さず、防犯対策にもなる優れもの。

E169
ポイント2

一枚革のベルトの特性

堅牢な一枚革ベルトは、お使いになる方の身体のラインに合う形に時間をかけて変化していきます。ベルトの 穴が広がりづらいのも特徴です。

E289
ベルト
ポイント3

コンパクトなのに
しっかり分類

お札は長く2つ折りにして、小銭は内ポケットに、さらにカードポケットも付いており小さいながらきちんと分類して収納ができます。

赤平だより 冬

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いたがき周辺のグルメ情報をお届けする新コーナー。今回ご紹介する「Cafe Luft(カフェ ルフト)」さんは、赤平駅から徒歩10分、いたがきからは車で10分。赤平市街にある手作りカフェです。

Cafe Luft

スイーツ

「『赤平何もない』っていうのが無くなったらいいと思います。」と、朗らかに語る佐藤亜由美さん。小さな頃からお菓子屋さんになるのが夢で、2児のママをしながら市内で移動販売を続け、昨年3月遂にカフェをオープンしました。
集いの空間をコンセプトにしたお店には、老若男女さまざまなお客様がいらっしゃり、お昼にはスイーツ完売なんて日もあるそうです。いたがき赤平本店でも、昨年イベントにてLuftさんのスイーツを特別に販売させていただきました。佐藤さんのオススメは「全部」だそうですが、ゼブラ模様のシフォンケーキは特に珍しく現在の定番メニューだそうです。シフォンの優しい甘さには佐藤さんのお人柄があらわれていて、ご主人の敏文さんが淹れたコーヒーとの相性は抜群。他にも季節のスイーツやランチメニュー、佐藤ご夫妻の掛け合いに頬が緩み、今では「赤平にはLuftさんがあるよ」と紹介せずにはいられないお店です。ぜひ一度、覗いてみてください。

佐藤さん
Luft 地図

Café Luft(カフェ ルフト)
〒079-1141 赤平市大町1-6-6
TEL 0125-74-8073
営業時間 11:30〜18:00(不定休)
https://cafeluft.amebaownd.com/

Topics

栃木レザーショップオープン!

いたがきに、タンニンなめしの革を提供していただいている「栃木レザー」。昔ながらの技術を受け継ぎ、20以上に渡る工程を重ねて上質なタンニンなめしの革を作り出しています。その栃木レザーが運営するショップが、2020年2月22日(土) 栃木駅北口前にオープンいたします。いたがきの他にも、リーガルなど栃木レザーのタンニンなめし革で作られた商品のみ集め、展示販売するというこだわりを持ったアンテナショップです。また、販売のみならず、ものづくり教室など、より多くの人に革のことを知ってもらうようなイベントスペースも完備。タンニンなめしの革の魅力を発信する場となること間違いなさそうです。

直営店情報 〜ようこそいらっしゃいませ!〜

新千歳空港クラフトスタジオ店

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新千歳空港ターミナルビル2Fにあるクラフトスタジオは、北海道を拠点として活動する作家の作品や、北海道企業のオリジナル商品を販売しており、何度立ち寄っても新しい発見がある楽しいお店です。北海道らしいアイヌゆかりの商品も多数取り揃えがあり、中でも“砂澤ビッキ”の彫刻がデザインされたTシャツは、このショップオリジナルなのでお土産にもおススメです。

限定Tシャツ

そんなクラフトスタジオの一角にある「鞄いたがきクラフトスタジオ店」は、いたがきの直営6店舗の中で唯一の店舗内にある店舗なので、賑やかな中でお買い物ができ、旅行気分も盛り上がる事必至です。また、空港2店舗限定のパスポートケースも取り扱っております。パスポートとL版写真が入る窓付きのシンプルなデザインは男女共にお使いいただけ、旅のお供にピッタリなアイテムです。多様なショップで賑わうクラフトスタジオ。お土産に迷われた時やお時間が空いた時には、出会いを求め立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

パスポート
新千歳空港クラフトスタジオ店

新千歳空港クラフトスタジオ店
〒066-0012 北海道千歳市美々
新千歳空港ターミナルビル2F
TEL:0123-46-5732
FAX:0123-46-5733
営業時間: 8:00~20:00(年中無休)
(名入れ実施時間10:00~19:00)

中部国際空港セントレア店

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中部国際空港セントレア店は5月に2周年を迎えます。お陰様で愛知県内外から沢山のお客様に店舗をご利用いただいておりますが、今回はセントレアが在る常滑市の魅力をご紹介いたします。常滑市は古くから日本六古窯の一つとされる陶磁器のまちです。常滑駅から徒歩10分に位置する「やきもの散歩道」では焼き物の販売だけでなく、レンガ造りの煙突や陶器の坂道など、独特の雰囲気を感じながら迷路のような小路を散策出来ます。陶芸体験コースも行っている「共栄窯」は、明治・大正・昭和と3時代にわたり、常滑の地で大小様々な土管を焼き続けてきた当時の窯を利用したレストラン。窯の内部にバーカウンターを設置した店内は、歴史と趣を感じながら美味しい食事とお酒を楽しめる、お勧めのお店です。

土管坂

また常滑は招き猫の生産量日本一でもあり、電車でセントレアから常滑駅に到着時、市のシンボルでもある“とこにゃん”という大きな招き猫が出迎えてくれます。セントレア店限定タグとして招き猫タグもご用意しておりますので、常滑市観光の後には是非お立ち寄りください。

とこにゃんタグ
中部国際空港セントレア店

中部国際空港セントレア店
〒479-0881 愛知県常滑市セントレア1丁目1
中部国際空港 4F レンガ通り
TEL・FAX:0569-47-5716
営業時間: 10:00~21:00(年中無休)

編集後記

多くの企業がそうであるように、いたがきも地元の企業や団体に支えられて成り立っています。今年はそんないたがきと他企業・団体との連携事業を3回に分けてご紹介してまいります。次号では実際の北海道企業とのコラボ商品を詳しくご紹介します。どうぞお楽しみに。