ミラノ便り～Lineapelle訪問｜ブログ｜鞄いたがき（ITAGAKI）

2023年9月19日(火)。ミラノでは秋のさわやかな青空が、私たちの到着を歓迎してくれました。

これまでも各地の素材展やタンナーを訪れてきましたが、世の中がようやく落ち着いた2022年2月からは、年2回ミラノで開催される革の展示会「Lieneapelle」への訪問も再開しています。「百聞は一見に如かず」の言葉通り、現地に直接足を運び、目で見て話を聞くことはとても貴重な経験で、いつも新鮮な気持ちになります。コロナ禍を経ても何かが大きく変わったわけではなく、出展者の顔ぶれや会場にはいつもと同じような時間が流れているのですが、頻繁に出向いていると、変わらない中にもある小さな変化やチャレンジングに気づけるようになってきたことを実感しています。

イタリア・ミラノで開催される世界最大級の皮革見本市”LINEA PELLE”

各社のブースを訪ねると、まずはお互いの無事を喜び合います。新しい製品も紹介してもらいつつ、「これからもよろしく」の挨拶を交わすことが一番の目的ですが、会場での楽しみが他にもいくつかあります。長くこの業界に携わる人たちのファッションへの感度の高さもその一つ。古き良き時代と新しい動きを上手くミックスして、その人なりの個性が服装からもにじみ出ている雰囲気は、見ているだけで心地良くとても参考になります。また、遥々日本から出展している企業ブース（栃木レザー社もその中の一社です）も年々洗練されて、商売繁盛のエールを送る傍らで、その活躍ぶりに自国への誇りを感じる瞬間でもあります。

今回の訪問目的のメインは、いずれ商品としてご紹介したい、いたがきオリジナルのジャガード生地を依頼するためでした。特別に製作した商品サンプルを見ていただきながら、詳細を打ち合わせてきました。また、赤平本社で現在建設中の新しい裁断棟に設置する裁断機や備品用のキャビネット、革を保管するための“馬”も、近々イタリアから日本に向けて船荷されることになっています。秋にLineapellと同時開催される機械展へも足を運んで、到着を楽しみに待っている旨を伝えてきました。