創業祭2023 限定品ご紹介②

創業祭2023の開催までいよいよ秒読み段階となりました。創業祭で何をご紹介するかは毎年の大きな課題ですが、今年はまず素材の選定から始まりました。ドイツ革との最初の出会いは2016年にさかのぼりますが、実は一度、隠れた企画品として2019年に特別製作したことがありました。それは過去に創業者自らが出向き、長い時間をかけて対面販売をし続けてきた東北最大の百貨店、仙台の藤崎百貨店が200周年を迎えた記念にと限定製作したものです。

仙台藤崎200周年記念に限定制作されたドイツ革の鞍シリーズ

仙台藤崎200周年記念に限定制作されたドイツ革の鞍シリーズ

このような仕上がりの革はあまり目にすることがなく、キズや血筋を隠さずに肌目として残しているので、現地スタッフからは「日本人には向かない」と言われていましたが、実際に販売をした時の反応は予想とは全く異なっていました。製品の前で多くの人が立ち止まって革に見惚れている、そんな光景を目にして私たちも驚いたことをよく覚えています。

 

あれから4年が経ちましたが、ご愛用の方々の手によって美しい経年変化が表れたその製品を、ご自慢の品として毎年イベント会場に見せに来てくださる事も増えました。

 

素材だけでなく、作るアイテムを選定するのにも大変悩みましたが、やはり今求められているコンパクトなサイズ感の鞄と財布を製作することにしました。その他にも毎日使っていただける、ドイツ革ならではの厚い一枚革の良さが味わえる35mm幅ベルトなども用意していますのでお見逃しなく。

◆創業祭2023限定アイテムのご紹介

 

「T934鞍ショルダー小型」

その昔、創業者がドイツで製作して、自身でも毎日愛用していた大型鞍ショルダー(A4サイズ)を、精巧にバランスを整えながらB5サイズにまとめ、手縫いのハンドルも持ちやすいサイズと位置に取り付けています。iPadが入るコンパクトなサイズながら、大型鞍ショルダーの全てが注ぎ込まれた完成度の高い仕上がりです。

T934鞍ショルダー小型 (創業祭2023限定ドイツ革)

T934鞍ショルダー小型 (創業祭2023限定ドイツ革)

「T915鞍ショルダー小」

創業者が初めてドイツを訪れた1998年に自ら手掛けたアイテムです。ドイツで乗馬を楽しむ人たちにこの鞄を見せて絶賛され、楽しそうに意見を交換していたことが懐かしく思い出されます。製品として誕生して24年になるロングセラー商品です。

T915鞍ショルダー小 (創業祭2023限定ドイツ革)

T915鞍ショルダー小 (創業祭2023限定ドイツ革)

「T195鞍ハンディウォレット」

こちらも実はドイツで開発した製品。長いことお蔵入りしていましたが、2020年に若い職人たちの手で取り上げられて日の目を見ることに。キャッシュレス時代にコンパクトながらカードもお札も小銭も全て入る機能性と鞍のモチーフが好評をいただき、売れ筋アイテムとして頭角を現しています。

T195鞍ハンディウォレット (創業祭2023限定ドイツ革)

T195鞍ハンディウォレット (創業祭2023限定ドイツ革)

「T289ベルト35㎜」

しっかりとタンニンでなめされた一枚の厚い革を、そのままベルトに仕立てています。表の魅力的な表情もさることながら、裏の仕上げもきっちりとされています。金具は定番ベルトと同じで革に負担をかけないよう、革の上をクルクルと滑って着脱のしやすい、昔から変わらず使い続けているクダ美錠です。

T289ベルト35㎜(創業祭2023限定ドイツ革)

T289ベルト35㎜(創業祭2023限定ドイツ革)

創業祭アイテムに関わることは、作り手にとって一年、また一年と歴史を刻んでいくような作業です。日々の地道な作業からも一歩踏み出すような大きなチャレンジでもあります。
いたがきが創業当時から受け継いできた素材探しや技術を守る事への熱意を、創業祭のアイテムからも感じていただければ幸いです。

 

 

2023年創業祭ブログ

 

・第一弾「表情の奥深さに魅了された革との出会い」はこちら

 

・第二弾「創業祭2023 限定品ご紹介①」はこちら

 

・第三弾「ミラノ便り~Lineapelle訪問」はこちら

2022年1月以前のブログはこちら

※リンク先は2022年1月までのアーカイブです