いたがき通信 Web版 Vol.39(2021年春号)

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新品を手にする、おろしたてのワクワク感。それに加えて、使い続けることで1年後、2年後、10年後とそれ以上、時とともに生まれる変化や風合いを楽しむことができるのが、いたがき鞄の魅力です。今回は、いたがきの職人である開発担当・橋本が実際に愛用するビジネスショルダーE812について語りました。

大人ショルダーE812の存在感

「素敵な鞄をお持ちで」百貨店でそう話しかけられた時に一緒だったのは、E812。職人歴21年となる開発部門の橋本が愛用中のE812は、ショルダー持ちのビジネスバッグ。使いやすく丈夫。ポイントは、A4やノートPCがすっぽり入り、ショルダーであるところ。その素材の重厚感やサイズ感という、見た目のかっこよさも気に入っています。

実は、E812は橋本自身が製作に携わり、鞄の開け口や構造など、細部にまで工夫を凝らしながら作った思い出深い鞄。赤平市長の要望がきっかけとなったリニューアル時には、ボディの下の厚みと上部の開閉フタ、前ボディのデザイン、内装を改良。容量がさらに増え、書類などの当たりが減り、より働く人・忙しい人の味方となりました。

「社内の商品、お客様の声、ホームセンターや全く違うジャンルの物など、世の中にあるものどれにでも商品開発のヒントが隠れています」と、アイデアに繋がる日々の生活を大切にする橋本。1999年に入社、いたがきの鞄職人になろうと思ったきっかけは「バブルがはじけ、どんどん生産拠点が海外に移る中、これからの時代は手に職がつくような仕事がしたかった」から。

ボディ構造を何度も見直したり、開け口に新たにバネを採用するなど納得いくまでチャレンジし続けた開発当時から、発売後もハンドル、芯材、革の厚さに改良を重ね、リニューアルを経てE812は進化してきました。実際に自分で使ってみて、思っていた通りの構造だったことを実感。職人としての自信にも繋がり、「E812は自分を成長させてくれた一品」だと語ります。

E812を使い始めて3〜4年ほどが経ち、出張で行った先ではこんなエピソードも。「ホテルの宿泊受付に会社名を書いて気付かれなくても、鞄を見た途端に『あの、いたがきさん!』と気付かれることがありました」と、E812の持つ存在感を色々な場面で感じるのだと言います。

改良前後
橋本使用 改良前

橋本使用 改良前

改良後 E812

改良後 E812

綺麗な飴色を見るとうらやましい

お気に入りを持ち続ける、長く使い続けるためのポイントとして、お手入れは適度に。「お手入れにもタイミングがあり、はじめはわからないものですが、使っていくうちに“頃合い”がわかってきます」乾燥させないことや、雨やアルコールなどで出来てしまうシミにも注意が必要だと、橋本は使い勝手や鞄の扱い方を知る職人ユーザーだからこその目線で鞄と接しています。

手への馴染み方も、革製品の変化をたのしむ醍醐味。おろしたての頃は全体的に固く、曲がらない。開けにくいことがあっても、2年、3年とすぎていくうちに柔軟性が出て、自分の体にフィットし、使いやすくなってきたそう。

また、色の風合いについてはユーザーの暮らしによってさまざま。「色の変化は年数より使用頻度で変わります。自分ではなかなかできませんが、お客さまで綺麗な飴色の商品を見るとうらやましく思う」と、今後も育てゆく愛用品への期待をのぞかせました。

使う人によって、使い方によって、違う表情を見せ、色や形、馴染み方までが自分色にしっくりと寄り添う。同じ鞄でも決して同じ変化を歩まない面白さ。そんな経年変化のストーリーが、今この瞬間もいたがき製品の数だけ生まれています。

橋本

つくるプロが認める 鞄を使うプロ

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小澤様

お手入れで増す、ツヤと柔らかさ

18年前、新千歳空港クラフトスタジオ店でペアキーホルダーをご購入以来、全部で20点ものいたがき製品をご愛用いただいている小澤弘一様。財布やステーショナリーのほか、一番のお気に入りはオン・オフ問わず毎日使っているという“縦型ショルダーバッグ”。きれいに大切に使われている愛用品を見ると、いたがき製品への想いが自然と伝わってきます。今回は「使うプロ」小澤様に、長く革製品を楽しむ秘訣である普段のお手入れについてお話を伺いました。

革製品のお手入れ頻度、かかる時間は?

自分では3ヶ月に1回程度ですが本店や札幌店、イベント会場でもお手入れをしてもらっています。数が多いのですべて自分で行うと1時間近くかかることも」

普段、お使いの時に気をつけていることは?

「雨の日は使わずに出来るだけシミが付かないよう注意。もし濡れてもすぐに拭き取るよう心がけています」

お手入れ方法やこだわりは?

「カタログに載っている“お手入れ方法”にならっています。いたがきクリームをつけた後の乾拭きはしっかりと。自分なりのコツとしては、クリームはうすく全体に伸ばすイメージで塗っています」

使用年数によって色の出方や風合いは異なりますが、小澤様がお持ちのアイテムはどれもきれいでシミがついてもアジになっています。また、ひとつひとつ自分が使いやすいように応用・整理整頓されていて、愛着・愛情を感じる大変うれしいお話を伺うことができました。ありがとうございました。

いたがきカフェリニューアル
いたがき本店カフェ 2021年3月1日(月) リニューアルオープン
長い道のりを車でお越しくださるお客様に、ほっと一息ついていただけるようにと、エコガーデンファクトリーの誕生と共にオープンした本店カフェがこのたびリニューアルいたします。四季折々の景色を楽しみながら寛いでいただける大きな窓や、夏は全開にして心地よい開閉式のガラスドアなど、開放感たっぷりのテラス風カフェに生まれ変わります。
カフェの新たなコンセプトは ~タンニンなめしの革との過ごし方~ 環境に優しい自然の素材を体感していただける空間です。座る椅子にタンニンなめしの革が敷かれ、ランプシェードに革、メニューカバーやナプキンを入れるスタンドなど、コロナ禍に社内で発足したデスク回りアイテムの制作班と共に考え、準備をしてまいりました。革と木のコンビネーションも北海道ならではの優しい雰囲気を作り出しています。
今年計画されるご旅行の立ち寄り先に、ぜひ赤平本店をマークしてください。
カフェ 店内

Topics

自分らしさで揃える。
お気に入りのワークスペース
zu hause イメージ
自宅でのリモートワークは、オンオフの切り替えがなかなか大変。そんなお悩みもデスク周りへのお気に入りアイテム投入で、キモチ上向きに。 メモパットにペン立て。シンプルで使いやすいマット。散らかりがちな小物をまとめるトレイ。いたがきから新たに登場するZu Hause(ツーハウゼ)シリーズは、デスク周りで活躍するレザーアイテム揃い。 集中したいお仕事空間に革製品の心地よさをプラスして、さらに充実したワークタイムをお過ごしください。
※Zu Hause=ドイツ語で「お家で」の意味。

Zu Hauseシリーズの取扱は、赤平本店限定です。今後、全店での取扱も予定しております。

直営店情報 〜ようこそいらっしゃいませ!〜

赤平本店

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北海道赤平市にある赤平本店ショールームには、ご来店のお客様にゆっくりとショールームを眺めながらお過ごしいただきたいという創業者の思いから、カフェが併設されています。ハンドドリップでお淹れするこだわりのコーヒー(旭川市の昭平堂)の味に惹かれて、最近ではコーヒーを楽しみにいらっしゃる方も少なくありません。夏に繁る緑はもちろん、秋の紅葉や冬の雪景色をたくさんの方に楽しんでいただけるように、テラス部分を室内化して、2021年3月1日よりリニューアルOPENいたします。いたがきならではのタンニンなめしの革を感じる空間で美味しいコーヒーを味わっていただきながら、皆様にお会いできることを楽しみにしています。どうぞお気軽に、コーヒーだけでも楽しみにいらしてみませんか。

テラス

歓送迎の季節になり、贈り物に悩まれている方も多いはず。赤平本店スタッフのおすすめの一品はE601ペンケース。ペンのほかに付箋や消しゴムも入るのにとてもスリムで、鞄の空いた隙間にスッと出し入れすることができる便利な収納アイテムです。税込8,800円と予算に合わせやすい価格となっておりますので、大切な方への贈り物にぜひどうぞ。

ペンケース

E601 ペンケース ¥8,800(税込)

赤平本店

赤平本店
〒079-1102 北海道赤平市幌岡町113番地
TEL:0125-32-0525
FAX:0125-33-7737
営業時間: 10:00~17:00(年末年始休)

京王プラザホテル札幌店

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お陰様で、京王プラザホテル札幌店は14年目を迎えました。昨年から続くコロナ禍ではありますが、感染拡大予防対策を実施しながら営業をしております。

京王プラザホテル札幌店 店内

今年1月より、新しく店舗の並びに「鞄ITAGAKIoffice&gallery」がオープンいたしました。なかなか店舗では見ることが出来ない、コアな商品などを展示し、職人による実演会や相談会も実施していく予定です。多くのお客様に楽しんでご利用いただけるように、スタッフ一同準備してお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さらに、長い間空き店舗となっていたお隣には映像会社が、ホテルロビーの店舗にはショップが新しく入り、1階ショッピングアーケードも一段と明るくなりましたので、ぜひ足を運んでみてください。お客様とまた元気にお会いできることを楽しみにしております。

京王プラザホテル札幌店

京王プラザホテル札幌店
〒060-0005 札幌市中央区北5条西7丁目
TEL・FAX:011-280-5555
営業時間: 10:00~19:00(第3日曜定休)

編集後記

お読みいただきありがとうございました。今回の特集では、職人の体験を元に商品への想いや革製品の経年変化のお話をご紹介しました。革製品と一緒に過ごす時間を楽しみながら、皆さまお持ちのアイテムが素敵な表情になっていれば幸いです。次号の特集もどうぞお楽しみに。