全国的に暑い日が続いています。京都でも間もなく梅雨が明け、本格的な夏が始まります。京都の夏と言えば日本三大祭りの一つにも挙げられる「祇園祭」。7月に入ると、あちらこちらでお囃子が聞こえだし、京都の人々はお囃子に耳を傾けて「いよいよ夏やな」とその訪れを感じる頃です。

祇園祭の始まりは古く869年に京都で疫病が流行した際に66本の鉾を立て、厄災が鎮まるよう祈った事が起源だと言われています。一度、応仁の乱(1467年)ごろに戦火で途絶えましたが、その後1500年頃に町の人々の手で復興され現在の豪華な鉾を巡行させるようになっていったそうです。町衆の手によって今日まで堅く守られて来た、京都という都市を象徴する伝統行事の一つです。

現在では大小32基の鉾や山と呼ばれる山車が参加。それぞれ町内ごとに山車の名前も装飾も異なり、ご利益も違うので一つ一つじっくり見て行かれるのがお勧めです。      

例えば「役行者山」は疫病よけや安産、「鯉山」は立身出世、「浄妙山」は勝ち守り、「霰天神山」は火よけや雷よけのご利益があります。各鉾ごとにお守りが売られ、それを集めて回る楽しみもあります。

毎年7月1日に祭は幕を開けますが、本格的に賑わうのは全ての鉾、山が出そろう14日の宵々々山から。四条通り、烏丸通りが歩行者天国になり様々な夜店が並びます。     

そして祇園祭のクライマックスは17日の山鉾巡行です。32基の山鉾が京都市内の中心部を巡行するのですが、最大の見どころは「辻回し」。

辻回しとは四条通りと河原町通りの交差点へ山車が差しかかった時、人力で勢い良く直角に回す事を言います。青竹を何本も道路に敷いて水を撒き、そこに車輪をのせて力一杯引き回すシーンは迫力満点。歓声があがる瞬間で巡行一の見せ場でもあります。                          

その後31日の神事をもって、ようやく1か月間にもわたる祇園祭は幕を閉じます。

不思議な事に、山鉾巡行が終わると同時に梅雨明け宣言が出る事が多く、まさにこの祭りが京都に夏を運んでくるかのようだと言われています。約1100年も続く長い歴史を持ち、数十万人が訪れる祇園祭。皆様も浴衣や夏の装いで賑わう京都へ、是非お越しくださいませ。                         

京都三条店でもオリジナルうちわをご用意して皆様のご来店をお待ちしております。

鞄いたがき 京都三条店