デザイナーと呼ばれることに少し抵抗があります。デザインというものを基礎から学んだわけではないからかもしれません。一番最初に手掛けた鞄が、このブログでも紹介させていただいた 《タウンボストン》 タンニンなめしのかたい革をいかに使いやすく、愛らしく表現できるかが課題でした。このタウンボストンの反応がとてもよかったので、それから私はいたがきの商品企画担当になりました。考えていることは革のこと、使い勝手、バランスの良い顔立ち、鞄をもつことでその方の品格が少しでも高まるような出来上がりを心がけています。人がぱっと見では気づかないような細かいパーツをきちんと作っていくことで、その製品の質感が上がり、醸し出す雰囲気がグンとアップします。これは父の仕事そのもの、そして大事なのが素材、いかに無駄なく、いかにその良さを引き出すことができるか、これは永遠のテーマ、どんなに忙しくてもいい素材を探す旅は続けていきたいと思います。