- Entry at
- 2009
- 06/14
- 8:16PM
丁稚奉公
丁稚奉公というと懐かしい響きがする言葉になってしまい、どの業種でも丁稚奉公を経験した現役は今はもうわずかで、経験者の話が聞ける機会は少ないのですが、物作りに関わっていると15歳から職を学ぶということは心身ともに理想的な年齢ではないかと思います。いたがきの中では社長との雑談や朝礼の中で、当時の話を聞く機会があります。初めの3ヶ月は親方とは全く口を聞いてもらえなかったこと、鞄作りというよりはお掃除、洗濯、仕事場の準備等、現場の秩序や順序をまず体に叩き込まれる。待っていても手取り足取り教えてくれるわけではない、全てがわからず辛いことだらけ、でもそうして仕事をいただけた時にはものすごく嬉しくて、必死でやったそうです。職は与えてもらうものではなく自らが克ち得るということを15歳の若さで体得する。大人になるスタート地点に立った年齢だからこそできる、また独り立ちする準備として克服しなければならない、話を聞いていると丁稚奉公という経験が神聖な儀式のように思えてきます。 …次回に続く
投稿者:板垣 江美
コメントをありがとうございます
こんにちは。
いいお話ですね。
我が家にも娘息子2人の子供がいますが、今の豊かさ便利さがいいのかと子育て中(まだ子育て真っ最中ですが・・・)ずっと疑問を持ち続けて随分時がたちました。
社長さまが丁稚奉公された時代今はもうなくなりつつある事がたくさんあったことと思います。物とかではなく人と人のつながりとか心とか今よりもずっと豊かだったのではないでしょうか。
私自信たいしたことのない人間ですが、娘にも息子にも苦労とかそういう事を経験ができたらいいなぁと思っています。
学問的にできる事は素晴らしいとも思っていますが、それ以上に大切な事があるんじゃないかと考えています。続きを楽しみにしています。
鞄も素晴らしいけれど人生もまたすごい時を積み重ねておられるのですね。
shuru-kt さん、コメントありがとうございます。私も子供が2人います。同じような思いを持っています。子供は色々な可能性を秘めていますので、その子が持った能力が開花ができるように親として最善を尽くしたいですよね!
今の若い人たちも働く意識は高いと思うのですが、職について考える、巡り合う時期に微妙なズレがあると思います。次回は心身の成長と適正年齢について触れたいと思います。
>今の若い人たちも働く意識は高いと思うのですが、職について考える、巡り合う時期に微妙なズレがあると思います。次回は心身の成長と適正年齢について触れたいと思います。
>>「いたがき」製品を愛用させていただいております(小物ばかりですみません…)。
上記のコメントについてですが、高校、大学(専門学校)生の「インターンシップ」をお客様半分の実習ではなく、正社員と同じ、もしくは近いレベルに引き上げることが必要かもしれませんね。
まさに、平成版「丁稚奉公」ですね。失敗すれば怒鳴られ、叱責される、ものは見て憶える、もしくは自発的に質問するを行うのです。
そうすれば、実社会に出る前に大人になる準備を業務・精神の両面でできるかとは思いますね。
でも、私から見ると、今の15~20歳前後は一昔前に比べると、社会人になる覚悟はできていると思いますね。何せ彼ら(彼女ら)+親は就職氷河期を目の当たりにしていますから。
パチパチパチさん、参考になるご意見ありがとうございます。時代によって
甘やかされたり、鍛えられたり、それでも環境に合わせて自分で生き抜いていかなければなりませんので、社会に出るということは簡単なことではないと思います。ものづくりを通して、身を立てていける人が一人でも増えるように学校の勉強が嫌いでも、ものづくりに合う性質の若い方々を迎え入れる準備を始めたいと思っています。
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