弊社社長、板垣江美が思うまま感じるままに文字に落とし込んだ過去のブログをご紹介します。我々社員が読み返しても、現在のいたがきの背骨にあたるような言葉が並び、思わず表情がほころんだり、背筋が伸びたり、歴史を感じる。そんな内容が綴られています。

「いたがき こぼれ話」という本ブログのタイトルがぴったりな文章を定期的に皆様にお届けできたら、と思いますのでお時間のある時に読んで頂けたら幸いです。いたがきがものづくりを通じて大事にしているコトやモノが少しでも皆様に届きますように。

【 デザイン 】

デザイナーと呼ばれることに少し抵抗があります。デザインというものを基礎から学んだわけではないからかもしれません。一番最初に手掛けた鞄が、このブログでも紹介させていただいた 《タウンボストン》 タンニンなめしのかたい革をいかに使いやすく、愛らしく表現できるかが課題でした。このタウンボストンの反応がとてもよかったので、それから私はいたがきの商品企画担当になりました。考えていることは革のこと、使い勝手、バランスの良い顔立ち、鞄をもつことでその方の品格が少しでも高まるような出来上がりを心がけています。人がぱっと見では気づかないような細かいパーツをきちんと作っていくことで、その製品の質感が上がり、醸し出す雰囲気がグンとアップします。これは父の仕事そのもの、そして大事なのが素材、いかに無駄なく、いかにその良さを引き出すことができるか、これは永遠のテーマ、どんなに忙しくてもいい素材を探す旅は続けていきたいと思います。

2009年11月7日 板垣江美

※《タウンボストン:E560》は現在も販売しております。