<北海道に新幹線を>

2016年3月26日。いよいよ本日、北海道新幹線が開業します。

新青森駅から青函トンネルを通って新函館北斗駅まで。本州と北海道を初めてつなぐ新幹線となります。

北海道新幹線は今から43年前の昭和48年に整備計画が出され、調査や検討を重ねて平成17年にようやく工事が着工されました。

北海道新幹線には、はじめから大きな“壁”がありました。在来線と共用の3本レール、トンネル内の風圧、厳冬期の雪や氷など様々な“強敵”と闘いながら、安全確認や試験走行が繰り返され、一つ一つをクリアする為には、日々多くの人の大変な努力があったと思います。「-北海道に新幹線を-。」そう願った人たちの大きな夢を乗せて、ついに北海道新幹線は走り出します。

<北海道新幹線×いたがき・コラボ商品>

北海道新幹線グッズ

いたがきでは地元北海道の企業として、新幹線とのコラボ商品を製作しています。H5系のロゴを型押したコースター、新幹線初のファーストクラスとして注目の最上級席「グランクラス」のシートと同じ白い革を使ったパスケース・IDケース・マウスパッドなど4種類です。この商品はいたがきでは販売しておらず、JR北海道・札幌~函館間を運行している「スーパー北斗」の車内、またはJR北海道の通販でのみお買い上げいただけます。

※詳しくはJR北海道・客室乗務員センター(TEL/ 011-261-6819)までお問い合わせください。

<北斗星から始まった不思議な縁>

最後にいたがきが北海道新幹線とコラボ商品を作るまでの不思議なご縁のお話をします。昭和63年、青函トンネル開通と同時にデビューしたブルートレイン「北斗星」をご存知でしょうか。それは上野駅から札幌駅まで約1,200kmを結ぶ日本初の豪華寝台特急でした。北海道新幹線の開業と入れ替わりに2015年8月22日、たくさんのファンに惜しまれつつ27年半の歴史に幕を閉じました。

その北斗星が開業する時、こんな話が舞い込んで来ました。「客室のルームキーを革で作れないか」。当時のいたがきは今のように立派な工房も無く、ほんの数人が鞄を作る小さな会社で、数ある製作候補のひとつに過ぎませんでした。その後、まるで糸を紡ぐように不思議なご縁をたどって、正式にルームキーを作る事となります。

ある時、北斗星のロイヤルに宿泊している男性客が「この革のルームキーを旅の思い出に譲ってくれないか。」とたずねたそうです。もちろん列車の用度品ですから「非売品でお売りすることは出来ません。」と車掌は答えました。ところが、その男性は客室に一万円を置いてルームキーを持って帰ってしまったそうです。実は前から売って欲しいという声が多数寄せられており、このハプニングをきっかけに、北斗星の乗車記念のグッズを作って車内販売する事が決まりました。

以降、北斗星が役目を終えるまでの27年間、ルームキーとともに乗車記念の品もずっといたがきで作られていました。

(※北斗星グッズは現在、生産・販売とも終了しています。)

当時の北斗星乗車記念グッズ

赤平の小さな会社が一歩前進するきっかけとなった北斗星。それを繋いでくれたのは、当時JR北海道の営業本部長をされていた方でした。その方は北海道を盛り上げたいと、たくさんの地元企業を支援され、いたがきの事も長きに渡り応援して下さいました。お亡くなりになった後もその方の意志を継ぐ人たちによって、北海道新幹線のコラボ商品へと、ご縁が繋がりました。

「いたがきのおやじさんは良いものを作ってくれる。」英三会長を親しげにそう呼んで、いたがきのものづくりを応援して下さいました。分け隔てない優しい笑顔、北海道への深い愛情とその高い志を私たちは忘れません。

新幹線開業の晴れの日を節目に、ふと過去から続く不思議なご縁を思い起こしました。

北斗星から新幹線へ。進化する北海道とともに、これからも皆様へ良い製品をお届けする為、気持ちを新たに前進して参ります。今後とも鞄いたがきをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。