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鞄いたがき こぼれ話

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  • 2010
  • 03/28
  • 4:03PM

麻布十番店15周年記念

以前にも一度このblogの中で触れましたが、来週4月2日(金)に、お陰様で麻布十番店が満15年目を迎えます。創業当時に「通販生活」でいたがきバッグをご紹介いただいたことがきっかけで、いたがきの鞄を求めるお客様は、北海道よりも本州に多くいらっしゃり、アフターホローするためにも何としても東京で拠点を持ちたいという使命感みたいなものがありました。何とか麻布十番に落ち着いて、当時と今を比べると、時間の過ぎていく速さを痛感しながらも、時間という重みも感じます。麻布十番という町が、この町に住み続けている人たちの心意気に支えられ、個性を醸し出していること、ようやく今になってわかって来たり・・・、偶然のように麻布十番に不時着した感はありますが、ありがたき必然と考え、この町に根付くことができるよう、多くの方々に来ていただけるお店づくりに励んでいきたいと思います。

4月2日(金)~4日(日)日曜日はごめんなさい!17:00までになりますが、お店を立ち上げた2人、板垣英三と貴美子が揃って皆様をお迎えいたしますので、お時間がございましたら是非お越し下さいませ。きっといい時間になると思います。

投稿者:板垣 江美

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  • 2010
  • 03/14
  • 7:08PM

時代の移り変り

先月2月に東京ビッグサイトで開催されたギフトショーに、札幌市経済局のお誘いを受けて出展しました。世の中の情勢を自分たちの目で見て身体で感じて、勉強するつもりで参加させていただきましたが、お陰様で色々な方々との出会いや再会もあり、目的叶ってとても有意義な時間になりました。ただ一つ、どうも納得いかないことがありました…。それは28年間基本を変えずに作り続けているいたがきの製品に対する評価が、今と昔では全く違い、ものは変わっていないのに、人の感じ方が掌を返したように違うことに正直驚きました。毎日、疑問符なく淡々と過ごしていると時代の変化に気づけず、気づいた時には時代に呑み込まれていた・・・、大きな川の洪水が起こってしまった時におそわれる感覚と同じだ思いますが、今更ながら、時代を生き抜きながらも翻弄されず、冷静に生きていく術を身につける重要性を認識した貴重な時間でした。

投稿者:板垣 江美

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  • 2010
  • 02/28
  • 11:58PM

適材適所

会社という組織において、駆け出しで少人数の時には、一人が何役もこなし、そこそこ人が増えてくると、餅屋は餅屋で役割分担ができるようになる。いたがきの会社も年々関わる人が多くなり、それぞれの分野で長い経験を持つ役者と言える人の存在が会社を支えてくれていますが、スタートの時、自分の取り柄、長所に気づいていない人が多いことに驚きます。自分のことは分かっているようでわかっていない、人生は自分自身を探求するための道なのかもしれませんが、それに早く気づいてほしい、気づけば少しでも困難が軽減されるのにと思うことがよくあります。自分では気づけないことを気づかせてくれる人?運よく親、という場合もありますが、やはり経験のある指導者、その道で多くの人を見ているためにその人の持つ特性を嗅ぎ分けることができる人だと思います。会社という組織の中でいかにすぐれた指導者を生み出すことができるかが、適材適所で人を大事にできる唯一の道かなと思うこの頃です。

投稿者:板垣 江美

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  • 2010
  • 02/14
  • 2:31AM

スキルアップ出勤

4年前から毎月一回、土曜日に始めたスキルアップ出勤、その目的は文字通り 「技術の向上」 。皆さんが察するように、作り手は毎日ものづくりに明け暮れていますが、それは技術の向上というより、納期と品質管理に終始してしまい、向上を目指すには作り手本人の意志と時間の投資がまた別に必要です。試行錯誤して辿り着いた現状のスキルアップ出勤には、10数名が参加し、技術向上のために貴重な休日の時間を費やしています。自分自身に対しての投資で、成長の暁には昇給を約束しています。かなりの確率で労働省からお叱りを受けるシステムだと思いますが、私はそれが雇用する側と雇用される側の50:50の関係だと考えます。もし日本の教育制度が、より人が生きていくための職業を考えたものであれば必要のないことかもしれませんが、残念ながらそうではないのが現状だと思います。4年目を迎えたスキルアップ出勤、10年経つ頃には、自分の力で身を立てることができる人を生み出すことができれば目的達成…です。

投稿者:板垣 江美

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  • 2010
  • 01/16
  • 1:34PM

本社研修

《本社研修》はいつもは販売に携わっている特に若手のスタッフを対象として、毎月一人一週間缶詰めになってものづくり現場で作り手の一員として働くという研修です。販売の現場で行える修理や革のお手入れ講習は随時行っていて、入社間もなくて何の知識もない新しい社員向けに短期でものづくり経験をする時間はつくっていますが、ものづくりは忍耐と時間との勝負で、ある意味機械になり切って、集中して作業を行うことが要求されます。特に革は天然素材で、同じ革から裁断されていてるパーツでも全て同じではなく、いつも革を触っている人だけが持つ勘を働かせて臨機応変に作業することが必要です。《本社研修》で集中した体験を通して、ものづくり現場の日常の空気をいたがきのお客様に身をもって伝えることができるよう願っています。皮きりとして今月は、只今京都のJR伊勢丹で販売に当たっている入社5年目になる寺田が研修を行いました。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 12/26
  • 2:35PM

澪工房

夏のいたがき通信でご紹介させていただいた《澪工房》さんとは、平安工房という社名の時からおつきあいをさせていただいて、かれこれ25年になります。いたがきが出張販売をするきっかけとなるアドバイスを下さったのも澪工房の南さん、札幌の東急インに併設しているプラザ109の広場で初のイベント販売をしたこと、カード支払いのサービスもなく社長が手掛けた15万の価格をつけた総革のボストンバッグを、名古屋のお客様が気に入ってくださり、ご家族で現金をかき集めてお買い上げいただいたことが懐かしく思い出されます。札幌平岸のお店も、麻布十番にオープンした時も店舗や家具の造作をしていただき、最近では札幌京王プラザホテル店、素晴らしい本店のショールームも全てお願いしています。長ーいおつきあいのある方だからこそ安心してお任せできる、これからも共に存続していい関係を保ち続けたいと思います。澪工房さんの札幌白石のショールームは必見の価値あり!です。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 12/19
  • 4:13PM

北海道レザークラフト工房

赤平で独立して5年になる「北海道レザークラフト工房」は若い30代の北野さんを筆頭に、10年以上のキャリアを持つ京都出身の山村さん、パートの女性2人、サポート役の岩崎さんの5人で運営しているいたがきの協力工場で、納期を守り、ミスも少ない堅実なものづくりには定評があります。どんな仕事でもいざやってみるとそういうものでしょうが、鞄づくりも自分の忍耐との戦い、毎日が地味な作業の繰り返しです。北野さんは駆け出しのころ1年間、仕事が終わって毎晩、からミシンを踏んで自分の足の感覚を鍛えたそう… 毎朝欠かさず新聞配達をするとか、走るとか、自分に何かを課してやり遂げる、その精神と向上心を持ち得ているからこそ今があるのだと思います。前身の会社を受け継いで早5年、若くてもできる!それを実証している未来ある若い集団です。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 12/12
  • 11:34AM

栃木レザー社

先日、久しぶりに栃木レザー社を訪問してきました。いたがきが使う8割方のタンニンなめしの革の供給先で、お取引が始まって20年以上にはなります。国内外ともに革屋さんは、いつの時代でも存在の危機にさらされ、また技術革新もあり、栃木さんのように頑なにタンニンなめしのピット槽を保持している会社はとても少なくなってしまいました。先日初めて「蔵の町」栃木の町並みを案内していただいて、今なお栃木レザー社が存続できている訳が少しわかったように思います。当時は交通手段として使われていた町に流れる川やその両脇に建つ蔵の建物が、昔のまま自然に情緒を残して守られています。新しく建てるより、昔のままを受け入れ、残すほうがどんなにご苦労の多いことか…でもそういう方たちがいるからこそ、大事なものが存続し継続できるのだと思います。そこに住む人の意識や考え方が一番大事だと思います。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 11/28
  • 11:34AM

浪花屋さんのタイ焼き

浪花屋さんは夏でも2時間待ちは当たり前というほどファンが多い麻布十番で大人気のタイ焼きやさん、昔ながらの1本焼きで薄ーい皮に甘さほどよいあんこがたっぷり入っていて、パリパリして芳ばしい皮とあんこの味は絶妙で、並んで待っても食べたくなる気持ちがよくわかる! 店主の86歳になられる3代目神戸守一さんと息子さんで4代目将守さんに伺ったお話によると、小豆や大豆はやせた土地にも生育する生命力の強い植物で、平原の小豆はお坊ちゃま育ち、傾斜して育ちにくい所で採れた小豆はアクが強くて、そのアクを時間をかけてしっかり抜いて真心を込めて煮ると最上のあんこになると…、小豆は別名「赤いダイヤ」と呼ばれるそうで、守一さんは16歳からこの仕事を始めて赤いダイヤのために尽くした70年間だとおっしゃっていました。私の父と通じる深い思いを感じ、人生というものを考えさせられる貴重な時間でした。浪花屋さんのタイ焼きを食べて北海道十勝の小豆畑とご主人の思いに心を重ねてみてください。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 11/21
  • 12:43PM

ドイツのソーセージ

ドイツはエコの国というイメージがあると思いますが、私が思うドイツの究極のエコは「ソーセージ」です。うちの隣人は毎年春に子豚を50€で仕入れて、大きく育てて、11月か1月にと殺してソーセージを作ります。私も数回お手伝いしたことがありますが、家族全員で1日かけて行うその作業自体とても興味深いものです。豚に与える餌も残飯で、ソーセージ作りには何一つ無駄がありません。毛は歯ブラシに、皮は食用ゼラチンとしてお肉や野菜と煮込んで瓶詰めにし、内臓や血もお肉とハーブや塩コショウを加えて色々な種類のソーセージになり、脂肪はラードに、腸もきれいに熱湯消毒をしてソーセージを詰める袋に。毎日餌を与え、豚小屋を清掃し、1頭の豚を家族総出で1日かけてソーセージにして、1頭で一家族が一年間で食べる適量になり、燻製や瓶詰にして保存も利く。一般庶民にとって効果的で効率的で美味しく簡単に食べられる素晴らしい食材、節約家のドイツ人らしい発想だと感心しています。

投稿者:板垣 江美

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