<北海道新幹線H5系・青函トンネルを越えて>

北海道新幹線として運用されているのはH5系とE5系車両。時間帯によっては2車両が上りと下りに並ぶ姿も見られます。12時44分発の東京行き「はやぶさ22号」がアナウンスとともにホームに入ってきました。

並んで待っていたお客さんも一斉に「新幹線が来たよ!」とカメラを構えて笑顔で出迎えます。

今回乗車する「北海道新幹線H5系」車両には、東北新幹線E5系をベースにオリジナルのデザインが組み込まれています。

車両カラーの鮮やかな「常盤グリーン」と「飛雲ホワイト」は東北新幹線と同じで、中央に北海道のライラックやラベンダーをイメージさせるH5系オリジナルの「彩香パープル」ラインが入っています。車体に一際目立つ白いロゴマークは北海道に飛来する「シロハヤブサ」と北の大地をモチーフにしたもの。

10両編成で先頭の10号車が新幹線のファーストクラスと呼ばれ、定員わずか18名の「グランクラス」。9号車はグリーン車、8~1号車が普通車で、全席指定となっています。

車内は壁や天井に木目をあしらった柔らかいデザイン。通路の床には可愛らしい雪の結晶と夜景の灯りが描かれています。窓のロールブラインドには、縄文土器やアイヌの文様がプリントされたり、細かなところまで北海道らしさを感じられます。

一番の驚きは普通車でも全席に電源コンセントが完備されて、移動中でも携帯やパソコンが充電出来る事です。また座席間も広々として座り心地も良く、可動式のヘッドレストがついていて、頭のクッションを好みの高さに変えられたりと、この快適さは他の新幹線ではありません。

やがて走り出した新幹線からは遠くに函館山が見えました。いくつかの短いトンネルを抜けた頃、車掌さんが「まもなく青函トンネルを通過します。」とアナウンスをくれました。

<夢の北海道新幹線>

今からおよそ50年前、”いつか北海道に新幹線を通す”という途方もない夢から始まり、多くの困難とたくさんの人達の手を経て、ついに北海道新幹線が青函トンネルを越えました。静かにトンネルの暗がりを走る新幹線に揺られていると、時代の大きな流れを感じるようでした。

今回は駆け足の旅でしたが、北海道の魅力をたくさん見て、触れる事ができました。函館から東京まで約4時間。くつろいでいたら、あっと言う間に到着します。

これから北海道旅行を計画されるなら、ぜひ北海道新幹線に乗ってみてください。お勧めいたします。自然と歴史と文化があふれる北海道を思う存分満喫していただける事と思います。