<新しい新函館北斗駅>

楽しかった道南の旅も終わり、いよいよ北海道新幹線に乗車するため「新函館北斗駅」へと向かいます。新幹線開業に合わせて完成した新しい駅まで「はこだてライナー」に乗り約25分で到着します。「はこだてライナー」は車体や車内にも北海道新幹線と同じグリーンとパープルがあしらわれていました。以前は「旧渡島大野駅」という無人駅でしたが、新幹線開業とともに「新函館北斗駅」へと生まれ変わっています。

駅に到着すると、すぐに新幹線ホームに入る改札が見えます。階を上下することなく乗り換えられる「平面乗り継ぎ」は、新函館北斗駅の大きな特徴です。

そのまま改札を通って2階へと上がります。まだ真新しい駅舎はとてもきれいで「自然とともに呼吸するモダンで温かみのある駅」というコンセプト通り、至るところに北海道らしさの溢れるデザインが施されていました。

駅を正面から見学したかったので、駅員さんに新幹線のチケットを見せて一旦外へと出ました。駅前広場から見た新函館北斗駅は、落ち着いたグレーの外壁と広いガラス面がとてもモダンです。

ガラス越しに見える大きな白い柱は、トラピスト修道院のポプラ並木をイメージしたもの。駅舎内の天井には地元産の杉集成材がふんだんに使われて、木の香とぬくもりが感じられます。また、近くの茂辺地(もへじ)は、開拓使時代に北海道初の煉瓦製造所のあったところ。その北海道産のレンガ壁も内壁に使われていて、温かみのある雰囲気を醸し出しています。

駅の入り口を入ると地元のアンテナショップ、コンサートもできるイベントスペースやギャラリーがあり、北海道ゆかりのアイヌ文化の紹介や、人気漫画「北斗の拳」の主人公・ケンシロウの銅像もありました。

エスカレーターで再び2階へ上がると、観光案内所や飲食・休憩スペースがあります。大きな窓越しに駅前広場が見えて、駅の隣でホテルや複合商業施設の建設が進められていました。食事をする場所には青森県八戸市の老舗駅弁メーカー・吉田屋がプロデュースする「BENTO CAFÉ 41°GARDEN(よんいちガーデン)」があり、地元食材を使った色とりどりの「カフェ弁」が人気のようでした。

美しいステンドグラスが飾られた2階の自由通路からは、新幹線をガラス越しに眺めることもできます。自由通路は改札の前なので、誰でも新幹線を見学することができます。お父さんに連れられた子供たちも来ていました。

他にも同じフロアに函館の人気駅弁メーカー「函館みかど」のショップもあり、北海道新幹線の形をした駅弁を発見。車内で食べるのに買ってみました。

また駅員さんに切符を見せて改札内に入り、1階の新幹線ホームへと下りていきます。

ホームには可動柵があり、北斗市特産のマルメロをイメージした黄色の塗装がされていました。その他、木古内駅では海の青色、奥津軽いまべつ駅では伝統芸能・荒馬(あらま)の衣裳の赤色と、可動柵の色はそれぞれの地域の特徴で分かれているそうです。

東京方面への新幹線が発車するのは11番ホーム。東京から来るのは12番ホーム。その隣には13番ホームがあり、北海道新幹線が2030年度(予定)札幌まで延伸した時には、”未来の札幌行き”ホームになります。