新年明けましておめでとうございます。

初日の出と共に新しく迎えたこの年が、皆様にとって良い年になるよう、心からお祈り申し上げます。

昨年は辛く厳しい状況が続いて、悲しみや寂しさを味わった方もたくさんいらっしゃったと思います。そして絶望の中で、信じる心の強さを試されたような一年でもありました。誰も経験したことのない未曾有の事態で、まだ先の見えない不安は続いていますが、いつか終息を迎える未来に目を向け、少しでも意義のある時間を過ごしたいと思います。

コロナ禍の日々を振り返ると、何をどうすれば良いのか分からない、動きたくても動けない時期もありました。しかし考える時間を得られたことで、不思議と今まで目を向けられていなかった、大切な事に気づく瞬間も多くありました。赤平という土地、そして全国の直営店に足繁く通って下さるお客様に励まされ、何とか前へ進もうとしたこの一年、支えて下さった全ての皆様に心より感謝を申し上げます。

そして本来なら東京オンリンピック・パラリンピックが開催され、象徴的な年となるはずだった2020年。世界中から訪れた人々と賑やかに交流し、日本の文化や芸術にもたくさん触れてもらえたはずでした。延期とされたこのスポーツの祭典が本当に開催できるかまだ分かりませんが、これまでモチベーションを保ち続け、厳しい環境で練習を重ねてきた選手やそれを支える組織、周囲の人々の思いを考えるとやり切れない気持ちにもなります。もし今年日本でオリンピックが開催されるとすれば、どのような形であったとしても、世界が前向きに進むきっかけになって欲しいと願います。

今ではもう遠い昔のように感じる世界との交流ですが、創業者 板垣英三のエピソードで印象深いものに、海外から日本へ来た方に会えば必ず新幹線に乗ることを勧めていた話があります。

「(東海道)新幹線はすごいんですよ、きれいな富士山が見られるんですから。」日本でぜひ富士山を見て欲しい、美しい富士山はみんなに感動と元気をくれるから、と誰にでも嬉しそうに話す笑顔が思い返されます。

板垣英三は北海道から離れて両親と一緒に富士山の麓で静かに眠っています。

穏やかに力強く佇む雄大な富士山をご覧になる機会があれば、板垣英三の笑顔や言葉をそっと思い出していただければ幸いです。

人とのご縁を何よりも大切にした事を忘れず、私達が何かを始めようとする時には心の中で対話をし、創業者が考えるであろう事を叶えられるように今年も一層、精進して参ります。

どうか今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

令和三年元日

株式会社 いたがき

代表取締役社長 板垣江美