いたがきでは創業当時から永く使えるタンニンなめしの革にこだわり続けるとともに、
ご愛用の製品をより長持ちさせるための定期的なお手入れをおすすめしています。
今回はご質問の多いタンニンなめし革のお手入れや、傷、シミについてお伝えします。

「お手入れの大切さとコツ」

タンニンなめし革は使い続けることで硬さが取れて、しなやかに扱いやすくなります。

もともと堅牢な素材ですが、革表面に余計な加工をほとんどしていないため、新品のうちは傷つきやすい繊細な面も持ち合わせています。
1か月や2か月の短い期間ではなく、長い年月お手入れを通して革と向き合うことで、やがて強さを兼ねた味わい深い表情へと変わります。
お手入れは面倒かもしれませんが、1年かけて使う人が革を「育て上げる」というイメージでぜひチャレンジしてみてください。
例えば革が劣化してからではなく、使い始めるタイミングでお手入れをすることも大切で、表面を固く絞った濡れタオルで優しく拭き、手のひらで水気をしっかり乾かしてから、少量の保護クリームを塗りこみ、再び手で擦り上げて仕上げると、これからの汚れや傷そのものがつきにくくなります。
鞄やリュックの場合は、雨などに備えて最後に革用防水スプレーを吹きかけるとより安心です。
使う頻度や使い方によっても違いがあるので、まずはご愛用品の様子を観察しながら
必要な時にお手入れをしてあげてください。
何もしない革もある程度は大丈夫ですが、やはりきちんと手入れをされた革とは
手触りや光沢、何よりも製品の持ちが違ってきます。
時間が無くフルコースのお手入れが難しい場合は、水拭きをして、手で優しく擦ってあげるだけでも革はよろこぶと思います。
タンニンなめし革は、根気よく愛情をかけた分だけきちんと応えてくれる素材です。
※お手入れ方法の詳細
https://www.itagaki.co.jp/feelings/maitenance.html

※お手入れの動画

https://www.itagaki.co.jp/blog/index.html?p=16111




■革の乾燥について
革製品は使わずに放置していると、人の肌と同じで乾燥してひび割れを起こします。
また、ポケットに入れて汗が染み込んだり、お手入れを怠ると同じくひび割れや、艶が無くなってしまう場合もあります。
革の表面がひび割れてしまうと修復することは出来ません。
乾燥しひび割れを起こさないためにも、表面の様子を見ながらお手入れをします。
例えば革の表面が少し白っぽくなるのは危険信号です。
また手で触ってみて表面がパサパサしている状態もお手入れが必要なサインです。
革の表面の色が剥げてしまうと、メンテナンスで少しだけ色入れをすることはできますが、
革の風合いを損なわない程度の修繕しかできないため、全く元通りには戻りません。
■お手入れのやりすぎは禁物
必要に応じてお手入れをすることは大切ですが、お手入れのやりすぎも禁物です。
革はお手入れをしすぎると油分や水分を含みすぎて柔らかくなり、かえって強度がなくなります。

また、革製品の保護クリームはつけすぎると革の表面の細かな窪みにクリームが残り、

粉を吹いたように白っぽくなってしまうので、少しの量を薄く伸ばしながら、様子を見てつけ足してください。

毎日ではなく、初めは月に一度、一年たつと2か月、3か月と革の様子や成長を見ながら徐々にお手入れの間隔を延ばして行ってください。
■革の傷について
革を扱う上で、傷は避けては通れないのですが、逆に傷がつかない革は加工方法の違いで経年変化をほとんど起こさない場合が多く、細かな傷がつくことで、革表面に豊かな色の変化が見られるようになるので、決して悪い事ばかりではありません。
人や動物は生きているうちは傷も治癒しますが、なめされた革は基本的に傷が元に戻ることはありません。
余計な加工を施さないタンニンなめし革には、牛が本来もっていた傷や痣が残っていて、ビニールのように完璧にフラットなものも無いのです。
生き物からいただいた革は、肌の温もりや安心感も与えてくれる優しい天然素材です。
お手入れを繰り返してあげると細かな傷は目立たなくなり、その人だけの味わいへと変化してくれます。

■革のシミについて
雨シミなども気にされる方が多いと思いますが、濡れたらすぐに拭き取ったり、使い始めにある程度しっかりとお手入れをしたり、シミが出来ても長く使い続けることで経年変化とともに徐々に目立たなくなります。
傷と同様にあまり神経質になりすぎず、愛着をもってお使いいただければ幸いです。

※製品の修理・メンテナンスについて

https://www.itagaki.co.jp/feelings/repair.html



いたがきでは店頭や催事場でもスタッフがお手入れや、修理メンテナンスのご相談を承っております。革の状態で不安に思われることも、ぜひお気軽にご相談ください。