弊社社長、板垣江美が思うまま感じるままに文字に落とし込んだ過去のブログをご紹介します。我々社員が読み返しても、現在のいたがきの背骨にあたるような言葉が並び、思わず表情がほころんだり、背筋が伸びたり、歴史を感じる。そんな内容が綴られています。

「いたがき こぼれ話」という本ブログのタイトルがぴったりな文章を定期的に皆様にお届けできたら、と思いますのでお時間のある時に読んで頂けたら幸いです。いたがきがものづくりを通じて大事にしているコトやモノが少しでも皆様に届きますように。

【 木の育つスピード 】

私たちが生きているこの時代は、物が豊富でとても便利な時代です。便利すぎて色々なことが簡単に一度にできてしまうためか、アッと気づいたらもう一年経っていたなんて事がよくあります。時々早起きして外を眺めてボーっと時間をやり過ごすことがありますが、何の生産性もないこの時間が好きで、まるで自分が木になったような錯覚を覚えます。何もしていない、でも頭がスローに動いているそんな感じです。人が成長するスピードは人それぞれ… 今は時の移り変わりの速さに飲み込まれそうになりながら、誰もが必死で生きているように思います。鞄作りも技術もないのに焦りすぎると失敗も多くなり、キャリアがあっても生産性が上がらないとお給料は上がらない、自分の力を知って、あともう少しという気持ちを持って事に臨むのが健全だと思います。木が育つスピードはどんな時代でも変わらない、自然界のバロメータのように思います。

2009年8月9日  板垣江美