先日、久しぶりに栃木レザー社を訪問してきました。いたがきが使う8割方のタンニンなめしの革の供給先で、お取引が始まって20年以上にはなります。国内外ともに革屋さんは、いつの時代でも存在の危機にさらされ、また技術革新もあり、栃木さんのように頑なにタンニンなめしのピット槽を保持している会社はとても少なくなってしまいました。先日初めて「蔵の町」栃木の町並みを案内していただいて、今なお栃木レザー社が存続できている訳が少しわかったように思います。当時は交通手段として使われていた町に流れる川やその両脇に建つ蔵の建物が、昔のまま自然に情緒を残して守られています。新しく建てるより、昔のままを受け入れ、残すほうがどんなにご苦労の多いことか…でもそういう方たちがいるからこそ、大事なものが存続し継続できるのだと思います。そこに住む人の意識や考え方が一番大事だと思います。