いたがき通信 Web版 Vol.25(2016年夏号)

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北海道赤平市のいたがき本社工房では、ものづくりスタッフ達が日々技術を磨き、製品づくりに励んでいます。今回はそんな製造現場の裏側を、若手スタッフの声と共にご紹介します。

商品課 製品の検品と発送

縫製課からできあがってきた製品を一点ずつチェックし箱詰めする検品業務と、お客様や各直営店・催事イベント販売へ届ける発送業務を行っています。

遠くのお客様に
安心をお届け

髙橋 大輔(入社6年目)

ネット通販や直営店で受けた注文の製品の発送は4名で行っています。自分は、名入れと、催事販売で使用する商品と備品の用意をメインに担当しています。お客様と直接対面しない仕事なので、間違いがないよう常に2人以上でチェックする体制をとっています。最近は本店ショールームやイベントで販売に立つ機会もあり、その際にはお客様の声を直接聞く事ができるので勉強になっています。革は天然のものなので、よく見ると牛が生きている時にできた傷跡やシワが見えます。これは治癒力が高く健康に育った良い革の証で、使うと良い風合いになるのでお勧めしたいのですが、店頭で現物をご覧いただきながら販売員が説明できる場合と違い、お客様に直接お送りする場合は不安に思われる方もいらっしゃいますので、直接お会いできない遠くのお客様にも安心してご購入いただけるよう、これからも頑張っていきたいです。

vol025 髙橋 大輔(入社6年目)

倉庫にずらりと並ぶ製品を素早く正確にピッキングする。大きな段ボール箱に詰める催事イベント用の荷物は重く、力の要る仕事。地元赤平市出身。

企画課 販促物のデザイン制作とイベント企画

この「いたがき通信」をはじめ、DMやカタログ、広告や店頭の案内などをデザイン制作しています。またその他にも、直営店で開催するイベントの企画・運営サポートも行っています。

いたがきの魅力を
伝えたい

杉浦 美南子(入社5年目)

皆様にお届けしているご案内や広告は、外部の制作会社さんにお任せするのではなく、ほとんど社内制作しています。自分たちの手で作った製品を、自分たちでしっかりお客様にお伝えしたいと考えているからです。私は5年目になりますが、未だにいたがき製品については知れば知るほど「ここまで考えて作られているのか」と発見があり、それほどまでしっかりした作りと、職人の想いを伝えなければと、身が引き締まります。いたがき製品はシンプルで無骨、昔から変わらないクラシックなデザインが多いので、その魅力をわかっていただけるよう販促物のデザインはいつも悩みます。長年ご愛顧いただいているいたがきのイメージを守りつつ、伝統の中にも新しさを、というのがテーマです。もっと経験を積み、この「いたがき通信」をはじめ、お客様目線に立ち楽しんでもらえる紙面づくりを目指して日々精進します。

vol025 杉浦 美南子(入社5年目)

直営店でお客さまにプレゼントする粗品や皆様にお届けするDMの制作も担当している。愛知県出身。「気持ち良い赤平の自然の中で、のびのびと働いています。」

催事課 催事イベントでの販売

百貨店やショッピングモールの催事イベントで出張販売を行っている催事課。5名の販売員が全国各地へ飛び回り、直営店の無い地域のお客様にいたがき製品を直接販売しています。

楽しくおしゃべり
するように

岩淵 登夢(入社3年目)

全国の百貨店にお邪魔して、各地のお客様にいたがき製品をご紹介しています。僕は、販売するというよりも楽しくおしゃべりさせていただくつもりで、お客様のお話を良く聞いた上で、その方に合った製品をお薦めすることを心がけています。また、いたがきがどういうものづくりをしているのか、見えない作りやこだわりをお伝えしています。そのためには製品知識が不可欠なので、先輩から話を聞いたり工房で実際に作るところを見たり、自分の足を使って勉強するようにしています。催事イベントは各デパートで年に1~2回程度の開催ですが、販売員がお手入れサービスをしておりますので、ご購入いただいたお客様にはぜひ毎回ご愛用品と一緒に来ていただきたいです。今後は、お客様の声を作り手に届け、お客様に一番近い立場としてよりよいものづくりに繋げられるようになることが目標です。

vol025 岩淵 登夢(入社3年目)

催事課のほか、直営店課として赤平本店でも販売している。本店いたがきcafe をオープン時から担当し、コーヒーのサービスも修行中。赤平のお隣、滝川市出身。

関連会社のご紹介 鞄工作社いたがき

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vol025 修理工場

修理工場

福島県桑折町(こおりまち)の「鞄工作社いたがき」さんは、私たち北海道の『鞄いたがき』創業者・板垣英三の兄である板垣 航二さんが立ち上げた革鞄メーカーです。1991年に創業し、革製品の製造販売および、鞄の修理を行っています。旅行用スーツケース(エース、サムソナイト、TUMI)の指定修理工場でもあり、年間約1万8千件を引き受けています。

vol025 板垣 良二専務

板垣 良二専務

今回は代表取締役専務の板垣良二さんにお話を伺いました。良二専務は板垣英三の甥にあたり、1994年頃から1年程、北海道のいたがきにて鞄づくりの修行をされた経験もあります。現在は同社の商品開発・デザインなどを手がけられています。「鞄工作社いたがき」は、初めは鞄のリペア専門に誕生した会社。創業者の板垣航二会長が鞄職人として、またその後スーツケースの製造に携わる中で培ってきたノウハウを引き継ぎ、現在も多くの鞄の修理を行っています。大切にしているのは「頂く料金以上の満足をお客様に感じていただけるように」ということだそう。修理だけでなく、自社製品の製造においてもその想いは同じです。

北海道のいたがきでは自社製品以外の修理をお受けできないので、スーツケースやその他の鞄の修理などございましたら、「鞄工作社いたがき」までぜひ相談してみてください。使い捨ての時代と比べ、修理にお金をかけて物を大事に使う人が増えていますが、修理を専門に行う会社の数はまだ多くはないので、これからの時代には貴重な存在になると私たちも期待しています。ときには研修を受け入れたり、業界の情報を交換し合い相互に交流をしながら、質の高いものづくりにかける情熱を競う仲でありたいと、お互いに切磋琢磨しています。震災後の福島で地元経済の活性に寄与している同社をこれからも応援していきたいと思います。

vol025 修理工場

本店ショールーム

※ スーツケースの修理は各メーカーのカスタマーセンターよりご依頼下さい。その他鞄の修理は鞄工作社いたがき本社窓口またはインターネットよりお申し込み下さい。

TEL:024-582-5223

http://www.kk-itagaki.co.jp

鞄工作社いたがきは福島市のお隣、 桑折町大字万正寺字宮ノ西1-3にあります。

つくるプロから使うプロの方へ 革の「個性」について

使い込むほどに風合いや色が変化していくタンニンなめしの革。今回は、そんな革の経年変化を上手に楽しむためのポイントを創業者・板垣英三がご紹介いたします。

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vol025 「革の経年変化について」

タンニンなめしの革は基本的に、使い込むほどに深く濃い色になっていきますが、これは革に脂が入っていくためです。乾燥や劣化を防ぐため、革には定期的に油分を加えることが必要不可欠なのですが、革用のクリームを使うほか、人の手で触れて手脂を革に移すのもとても良いのです。同じ皮同士で表面を傷めず、また革とのスキンシップは心を和ませ、製品への愛着もいっそう深まります。ぜひ、ご愛用品は手で触ってあげるようにしてくださいね。逆に、油分を加えずに長い間放置したり、太陽の強い光に当て続けたりすると、革の表面が風化しひび割れや退色の原因になってしまいます。日焼けなどで色が薄くなるのは革を染料で染めているためで、表面を覆ってしまう顔料着色と違い、革本来の表情や風合いを生かす方法です。しかし摩擦や水分にも弱いので、夏場は衣類への色移りなど、特に汗をかく部分はご注意ください。防水スプレーも色移り防止に効果的です。

夏場は水濡れも大敵です。水に浸かると革の脂が抜け、カチコチに固まってしまいます。濡れてしまった時も、必ずクリームなどで油分を加えるようにしてください。お手入れ次第で革は100年でも長持ちしますので、ぜひ自分だけの経年変化を楽しんでみてください。

vol025 「革の経年変化について」

お客様インタビュー

岡本 能成様、岡本佳子様(札幌市)、岡本 佳奈美様(埼玉県)

今回は、この春から埼玉県にお住いのお嬢様(岡本佳奈美様)と札幌在住のご両親を京王新宿店と京王札幌店にお迎えし、二店で同時インタビューをさせていただきました。お父様(能成様)は、長年のいたがきユーザー様で、お母様(佳子様)とお嬢様は、お二人ともタウンボストンをご愛用いただいています。

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ーいたがき製品を最初にお使いになったのは?

能成様私です。小銭入れ(EW100)で、7~8年前だと思います。スナップを修理してもらいましたが古くなったので先日新しいのも買いました。

佳子様後で、私も主人と同じ小銭入れ(EW100)を買いました。

ー佳奈美さんはどのようなきっかけでしたか?

佳奈美様高校生の時に、赤い財布を見て「これ可愛い、欲しい」と言ったんですけど、まだ早いと言われ、諦めきれず、大学生になってから彼氏と一緒にお財布を買いました。母には、高校生がザ・シンプルなお財布を欲しがるとは思えなかったんでしょう。

佳子様私は若い時にしか楽しめない形を楽しんでからでもいいと思っていたのですけどね。それに、長く使える物だから自分で働いて買った方が大事にすると思い買ってあげませんでした。

ー彼氏さんも革がお好きなのですか?

佳奈美様父から教わった「革は、長く使い込むと色が変わり、馴染んでいく」とか、いろいろなことを私が彼に伝えています。(笑)彼氏だけでなく、社会人になって、そろそろ良い物を持ちたいと思っている同世代の革好きの人には、勧めていきたいです。

ーありがとうございます。お揃いでお持ちのタウンボストン(佳子様 EW560、佳奈美様 BW560)は、どちらが先にご購入くださったのですか?

佳奈美様私が着物にも合うよねとか、タウンボストンのことを母に話していたら、いつの間にか母もタウンボストンが好きになったという。

佳子様年配から若い方にも合うスタンダードな 形だと思って。で、私が先に。色違いですが。

ー仲良し親子って感じですね。同じ鞄を持って、お出かけになることは、あったのですか?

佳子様音楽会なんかも一緒に行きましたね。

ー今後のいたがきに期待することなどありますか?

能成様東京や京都に販売店はありますけれども、今後も北海道に根ざした企業として頑張っていただきたいと思いますね。

佳奈美様若者寄りになりすぎて、いたがきらしさを失うことがないように、そして「タンニンなめしとは」をより世間へ広めていくことを期待します。それと、接客してくれる人がみんな温かいんですよ。こういうお店って緊張するじゃないですか。緊張しないということはないんですが、アットホームに迎え入れてくれて、そんな感じが好きなのでこれからも継続してほしいなと思います。

能成様、佳子様( 頷き)いいこと言うねぇ。

ー嬉しいお言葉をありがとうございました。

髙田牧子様、髙田有理様

岡本 能成様・佳子様
(札幌市)

岡本 佳奈美様
(埼玉県)

直営店情報 〜ようこそいらっしゃいませ!〜

赤平本店

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北海道の遅い春も終わり、日差しがまぶしい季節がやって来ました。赤平近郊の富良野・美瑛ではまさに夏のベストシーズンを迎え、多くの旅行客で賑わっています。本店併設のいたがきCaféでも、風の気持ち良いテラス席から赤平の美しい自然を眺めることができます。旅の疲れを癒やすコーヒーの香りと、都会の喧騒から離れたゆったりとした時間をどうぞお楽しみください。

vol025 本店併設のいたがきCafé

赤平本店では7月30日(土)・31日(日)の2日間、夏の恒例イベント「いたがき赤平本店夏祭り」を開催いたします。赤平市内外の飲食店のご協力で、今年は更に縁日コーナーがパワーアップ!ものづくり体験メニューも充実して、親子で一日楽しめます。ぜひご家族皆様で夏の赤平へお越しくださいませ。

vol025 赤平本店

赤平本店
〒079-1102
北海道赤平市幌岡町113番地
TEL:0125-32-0525
FAX:0125-33-7737
営業時間: 10:00~17:00(年末年始休)

新千歳空港クラフトスタジオ店

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旅まっさかりの夏、新千歳空港の中に待ち時間などを楽しく過ごせる素敵なアミューズメントがあることをご存知ですか。まずは、空港ビル4Fの「北海道ぐるっとシアター」。360 度のパノラマシアターで、道東・十勝・富良野美瑛など大自然の季節の表情を身体全体で楽しめます。1回の上映が15 分間と短く、待ち時間に余裕のある方は、ぜひ北海道の魅力を体感してください。2つ目は、国内線と国際線を繋ぐ広い連絡通路。最近では、その両壁がシュタイフのぬいぐるみで飾られ、途中には子供が遊べるフリースペースもあり、お子様連れのご家族に楽しいスペースとなっています。また、夏季限定で開放される滑走路前の展望デッキもおすすめです。

vol025 国内線と国際線を繋ぐ広い連絡通路

いたがき新千歳空港クラフトスタジオ店でも、夏の旅行にぴったりな鞄や小物などのアイテムを充実させ、皆様のお越しをお待ちしています。空港にお立ち寄りの際はぜひご利用ください。

vol025 新千歳空港クラフトスタジオ店

新千歳空港クラフトスタジオ店
〒066-0012
北海道千歳市美々新千歳空港ターミナルビル2F
TEL:0123-46-5732
FAX:0123-46-5733
営業時間: 8:00 ~ 20:00(年中無休)
(名入れ実施時間10:00 ~ 19:00)

北海道新幹線×いたがき
コラボ商品ができました

vol025 北海道新幹線×いたがき コラボ商品ができました
2016年3月26日、待望の開業を迎えた北海道新幹線。いたがきでは地元北海道の企業として、新幹線とのコラボ商品を製作しています。H5系のロゴを型押したコースター、新幹線初のファーストクラスとして注目の最上級席「グランクラス」のシートと同じ白い革を使ったパスケース・IDケース・マウスパッドの4種類です。北海道の旅の思い出に、ぜひチェックしてみてください。

北海道新幹線とのコラボ商品は、函館-札幌間の特急「スーパー北斗」「北斗」の社内販売にてお求めいただけます。(一部の便では実施なし)詳しくはJR北海道のホームページをご覧ください。※いたがきでは販売しておりませんのでご了承ください。

編集後記

今号では、職人が作り上げた製品を皆様にお届けするまでの、スタッフの仕事をご紹介いたしました。いたがき通信制作チームも、より魅力的で楽しい誌面を皆様にお届け出来るよう、これからも奮闘してまいります!

次号は「いたがきの仕事と人」の最終回、製品のアフターケア・サービスについてご紹介いたします。どうぞお楽しみに。