いたがきについて

いたがきは創業以来タンニンなめしの革を使い続けています。

『タンニンなめしの革の良さは、使ってみて初めて分かる』丁稚時代にその革と運命的に出会い、 47歳で独立した創業者板垣英三は、革の素晴らしさを多くの人に知ってほしいという願いと、先人から学んだ日本の優れた職人技を継承し、この素材で本物を作り、後世に残したいという使命感から「鞄いたがき」を創業しました。

素材へのこだわり

タンニンなめしの革は、化学物質を使わずにミモザなど100%植物性のタンニンでなめされているため、自然分解され土に還ることができる“環境に優しい天然素材”です。そして使うほどに艶や風合いが増していく経年変化を楽しむことができます。使い始めは堅く感じられますが、お手入れをしながら愛情をもって育てると、革は自然と手に馴染み、柔軟でより使いやすくなり、まるでその人に寄り添うかのように変化していきます。馴染んだ革には育てた人でなければ分からない優しさや感動があります。

※いたがきで使用するタンニンなめしの革は牛皮です。ほかの動物よりも厚みがあり、品質と供給量も比較的安定している素材です。

技術の伝承

  • 【いたがきの基本】

    タンニンなめしの革と向かい合い、技術の向上を目指して日々鍛錬しているいたがきの職人たちによって、一つ一つ丹精込めて作られている製品。革を大切にして無駄なく使い切り、素材への感謝の気持ちを忘れずに常に完成形を頭に描きながら、地道で几帳面な作業を積み重ねていくことで、固く武骨なタンニンなめしの革がしなやかな曲線を描くように立体的に形作られていきます。手縫いもミシンによるステッチワークも寸分の狂いなく緻密に行われます。それが創業者から継承した”いたがきの基本”となっています。

  • 【手間をかける意味】

    小物の中でも毎日使う財布の内装にはできるだけ革を使い、丈夫で長持ちする素材の良さを最大限に生かして、革の厚みを微調整し、革を張り合わせ、コバを整え、丁寧に縫って仕上げられた出来栄えと使い心地に満足いただき末永くお使いいただけるよう手を抜かずに作業しています。革鞄は旅行や仕事や普段使いにと、それぞれの用途に合わせて大きさや構造を精査し、もうひと手間をかけて使い易くなるように工夫を凝らしています。

  • 【時代を越えて愛されるものを】

    いたがきの製品は修理が可能です。丈夫なタンニンなめしの革だからこそ出来ることで、愛着の詰まった製品も修理によって再び息を吹き返えします。さらに長く持ち続けていただけるように、製作の工程でも修理対応を想定して作られています。全ての製品に”タンニンなめし革の良さを知って、末永く使っていただきたい”という創業者と後継する職人たちの願いが込められています。お客様の声に耳を傾けながら、革を知り尽くした作り手の技術を駆使して、時代を越えて愛されるシンプルで美しいものづくりを目指しています。