弊社は2017年10月2日にお陰様で、創業35周年を迎えます。

これもひとえに皆様のご支援ご愛顧の賜物と心より感謝申し上げます。満35歳は人で言えば、心身ともに脂が乗っている成長期にあたります。今まで培ってきた技術と、新しい世の中のニーズを見極める目をもって、これからも質の良いタンニンなめしの革製品を作り続けたいと思います。

35年を振り返ってみると、実に様々な出来事や変化がありました。創業当時のことを思うと、未だに「鞄いたがき」が存在し得ていることに驚くばかりで、これまで陰ながら弊社を支えてくださった多くの方々への感謝の念に堪えません。

当時から一貫してタンニンなめしの革の良さを世の中に広め、お手入れの重要さと長く親しんでいただける素材であることをお伝えして参りましたが、年を重ねるたびに多くのお客様が理解を深めて大切にご愛用いただいていることに、この場をお借りして御礼申し上げる次第です。

創業者 板垣英三が35年前に家族と共に起こした小さな会社は、今では80数名の従業員たちが働き、家庭内職や協力工場に従事する50名に上る作り手たちが意を共にし、一人一人がいたがきを動かす歯車となって毎日の業務に従事しています。

自分の信じる道を歩むために勇気を出して起業した創業者自身が、これほど多くの人たちがこの仕事を糧に生活を営み、家族を養って人生を送っていることに一番喜びを感じていると思います。

創業者の思いである技術の伝承と作り手と使い手の想いが通じ合うように、これからも40年、50年に向けて、いたがきのあるべき姿を忘れずにものづくりに専念し続けて参ります。

これからも末永くご愛顧賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成29年 10月2日

株式会社いたがき

2代目社長 板垣 江美