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製品の誕生

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  • 2016
  • 10/01
  • 9:00AM

今月のおすすめ品 Vol.63

鞄いたがきは、お陰様で10月2日に創業34周年を迎えます。これも一重に皆様からのご愛顧の賜物と、社員一同厚く御礼申し上げます。

この34年を振り返り、いたがき創業時より多くのファンを持つ代表作「鞍シリーズ」の魅力を、誕生秘話と共にご紹介いたします。

タンニンなめし革との出会い

英三会長が15歳で修業の道に入った時代、鞄の素材は“タンニンなめし革”が主流でした。丈夫で使い込むほどに艶が増していく、ただ、一筋縄ではいかないタンニンなめし革を使って、美しい鞄を次々と生み出す師匠との出会いから、会長の職人人生が始まりました。

後年、北海道の地でいたがきを立ち上げる際にも「タンニンなめし革の素晴らしさを知ってもらいたい」という想いは変わりませんでした。タンニン革は、自転車のサドルや靴底、ミシンのファンベルトなど、その丈夫さゆえ、道具として活躍していたものの、革のなめしにも、加工にもかなりの手間がかかる為、作り手にはあまり好まれない素材でした。「よく、そんな革を相手にしたね」と仲間からあきれられる程でしたが、実直な英三会長はそんなタンニンなめしの革と向かい合い、コツコツと鞄を作り続けました。

いたがき第一号作品「鞍」の誕生

「何か会社のシンボルになる鞄はないものか」。北海道で創業することになり、その一番の課題に取り組んでいた時、1つのデザイン画が持ち込まれます。それは美しい“鞍”の姿をした鞄でした。そこから経験豊富なデザイナーとタンニンなめしの革と、ものづくりへの情熱に満ち溢れていた英三会長の奮闘が始まりました。完成までの道のりは長く、ただでさえ曲線が多く複雑な形を、難しい素材で作り上げるのは大変な困難で、試行錯誤を繰り返し、ようやく第一号が完成する頃には1年半が経過していました。こうして出来上がった、いたがき第一号作“鞍ショルダー”は「今も昔も、こんな鞄はあなたにしか作れない」と職人仲間からも称賛される、いたがきの代表作となったのです。

究極の職人技を込めた「鞍」

いたがきの“鞍”は「無から生み出す」発想力と、タンニン革を知り尽くした長い経験、そして熟練の職人技の集大成とも言える鞄です。内装など見えない部分にも考え抜かれた工夫が施され、その縁の下のパーツのおかげで、無駄になる革はほとんどなく、見た目にも無理のない、内面からにじみ出るような美しい表情に仕上がるのです。

例えばE919鞍ショルダー大は、57個もの革パーツから組み立てられています。重要なのは鞄の土台となる後ろボディで、一番良い部分の革を使います。縫う人だけでなく、裁断する人の技量も問われる製品です。独特の立体的なフォルムは、厚い革が折れないように、ゆっくりと時間をかけて、慎重に曲げながら形作られていきます。

そして究極は、ショルダーを取り付ける部分の“手縫いの根革”です。これは鞄を完成させてから、最後に仕上げるパーツで、まず手縫いが出来る人でないと思いつかない、手縫いができてもやりたくないほど手間のかかる作業です。それでも「このパーツがないと、この鞍のデザインは完成しない」と言う、職人の高い志から生まれた独特の手法なのです。

英三会長から受け継がれる「鞍」

「硬い、重い」と言われ、表立って注目されなかったタンニン革を「丈夫で、年を経るごとに美しくなる」素晴らしい革であると、世の中に伝えるために生まれた“鞍”シリーズ。

英三会長の想いは、長い年月を経て、今では若い職人たちに受け継がれています。

お客様から「いつか欲しい憧れの鞄です」と言われるように、若い作り手たちにとっても「いつか作れるようになりたい目標の鞄」なのです。すでに完成している鞍を縫うことは出来ても、一からその形を生み出すためには、20年以上の経験と修行が必要です。

ものづくりは一朝一夕に成らず。日々の地道な作業を繰り返して、ほんの一握りだけが花開く世界でもあります。会長からベテラン職人へ、そして職人の卵たちへ、“鞍”を目指す事で日本の伝統である“職人魂”は受け継がれていきます。

完成から34年目。新しい「鞍シリーズ」へ

今年の創業祭では、今までの鞍シリーズに新しくE934「鞍ショルダー小型」(キャメル1色・受注生産)B915-13「鞍ショルダー小」(ネイビー)、B113-13「馬蹄ドル入れ」(ネイビー)が登場します。お客様からのご要望が多かったサイズや、人気の高いネイビー色を取り入れた限定商品です。

鞄作りの全てが詰まっているいたがきの”鞍“シリーズをぜひ、店頭でご覧下さい。

皆様のご来店を社員一同、心よりお待ちしております。

投稿者:京都御池店

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  • 2009
  • 09/12
  • 8:23AM

パンプキンバッグ

今日の北海道はとても清々しい秋の青空が広がっています。夏から秋へのこの時期の北海道はとても過ごしやすく、収穫の秋そのもので、海からも畑からも美味しいものがたーんと届けられます。特に畑からのお勧めはかぼちゃで、あのホクホク感は栗にも負けないほどです。ドイツでは「北海道かぼちゃ」という名前が付いていることを知って驚きました。かぼちゃは見た目に無骨ではあるけれどとても愛嬌があり、それが北海道らしく思えてパンプキンバッグを考え出したのは1992年頃だったと思います。数年前に改良を加えて、今はハンドバッグタイプのパンプキンミニ、小ぶりなパンプキンポーチ、大人気のパンプキン$入れの3アイテムを作っています。ぜひ一度ご覧ください。http://www.itagaki.co.jp/products/ladies.html

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 08/30
  • 12:12AM

タウンボストン

鞍の鞄に憧れている方も多くいらっしゃると思いますが、いたがきの鞄の中で一番ポピュラーなアイテムがE560のタウンボストンです。当時、通販生活に紹介していただいたことでとても多くの方にご愛用いただくきっかけになりました。丸みを帯びて愛らしい、小ぶりでクラッシックなボストンバッグが誕生したのは1991年、かたいタンニンなめしの革だからこそ表現できたデザインで、そのかたくて重いタンニンなめしの革を多くの女性に受け入れていただくきっかけになった大事な製品です。今年そのタウンボストンのワイドサイズが登場、中に入れる小物を入れやすく、納まりやすく鞄の幅を広くしたことで、副産物としてハンドルの位置に余裕が生まれ、大きくなった分重さは少し増しているのに、ハンドルの傾斜が緩やかになったことで手にした時の感触がよく軽く感じます。鞄を作る上でまた一つ小さな発見と大きな収穫になりました。http://www.itagaki.co.jp/products/items/E560.html

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 06/28
  • 9:47AM

特注品

先週の週末、麻布十番店でオーダー受注会を行いました。定番品にはないサイズやペットボトル用のポケットを付けるなど、いたがきの製品を使ったことのある方のプラスαの小さなご希望にはお応えしていきたいと思います。定番品の型を使える仕様や似たような製品を作るときに一緒に作るなどして、組み合わせることで価格を通常の特注品より抑えることも可能ですが、100%ご希望をお聞きする特注になると、職人一人が鞄1本を型紙裁ちから完成まで1週間から10日はかかりますので、最低でも通常価格の3倍にはなってしまいます。またほかのお店で作られているものと同じもの、ケリータイプの鞄などをご希望されるケースもありますが、真似をすることは本意ではないのでご容赦いただいています。一人のお客様の希望から生まれた鞄が製品化されることもあり、製品について作り手と使い手がコミュニケーションを交わすことができるオーダー受注会、これからは各お店で年に2回ぐらい企画したいと思います。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 06/07
  • 6:22PM

JR北斗星グッズ

東京のJR上野駅と札幌駅を結んでいる夜行寝台特急「北斗星」をご存知でしょうか?20年ほど前の青函トンネル開通と同時にデビューした知る人ぞ知るブルーの車体の寝台列車で、ロイヤル(A寝台1人用個室)、ツインデラックス(A寝台2人用個室)、デュエット(B個室・2人用)、ソロ(B個室・1人用)と個室があり、その個室のルームキーをいたがきで制作しています。当時乗車の記念に購入希望が殺到し、列車の中でのみ販売する北斗星グッズが生まれ、その中のオリジナルキーホルダー2種類と小銭入れもいたがきで作らせていただいています。当時からずーと車掌さんが販売されていて、数に限りもあり、息の長ーい人気商品になっています。ブルートレイン「北斗星」でロマンティックな気分を味わいながら、一度夏の北海道へいらしてみませんか…? 詳しくはJR北海道北斗星www.jrhokkaido.co.jp/train/tr017_01.html グッズについてはwww.hokutosei.net/html/をご覧ください。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 04/25
  • 8:20PM

鞍ショルダー

ご存じの方は多いと思いますが、いたがきの鞍ショルダーは創業第1作目の製品で、出来上がるまでに1年半の時間がかかっています。社長とお付き合いの長い六本木に在住の長井先生がデザインされ、いかに馬の鞍らしさを鞄に表現できるかアイデアを振り絞るのに必要な時間だったのだと思います。私も数年前、鞍ショルダーを手裁ちをして作ったことがありますが、見てもすごい、持ってもすごい、作ってみてなおさらすごくて、その完成度の高さには脱帽しました。表になるパーツ、目に触れることさえないパーツ、革を無駄なく使えるようにとても多くのパーツから成り立っています。かぶせ上の鞍らしい曲線もさることながら、この鞄の決め手は最後に手縫いで止めるショルダー根革!です。清水先生が「英ちゃん、あんたじゃなけりゃ誰もこんなことはしないよ…」と言っていたように、鞄が完成したあと最後の肝心なパーツを手縫いする、そんな手間のかかることをするのは今も昔も父ぐらいしかいないのかもしれません。

投稿者:板垣 江美

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  • 2009
  • 03/14
  • 3:24PM

トートバッグの誕生

桜前線は福岡のあたりと聞きました。3月半ばになり少しずつ春を感じるこの頃でしょうか? いたがきでは「新生活フェア」と称してこの時期、ビジネス鞄を紹介していますが、その中のひとつ「トートバッグ」誕生のいきさつをご紹介します。今では多くの男性にもご利用いただいていますが、当初主婦の方々から女性雑誌が入る、ちょっとよそ行きのバッグがあったらいい…というご要望がきっかけでした。普段着のトートバッグは便利だけど中が見えちゃうのも困る、そんな話も参考に当時流行のnonnoやananの雑誌が入るサイズ、まちは主婦の方用に広めにとり、決め手はフタを付けることにして初めて自分で試作をしてみました。ハンドルの取り付け位置は、革に負担がかからない、自然な持ちやすい角度にして、同世代の妹から小さくても外にポケットは付けたほうが良いとアドバイスをもらい、この小さなポケットは付けて大正解!そして1992年の秋にデビューしました。それから17年間、今でも幅広く多くの方にご愛用いただきとても嬉しく思っています。お買い物や一泊ぐらいの旅行、A4サイズの書類も入るのでお仕事にも重宝です。   http://www.itagaki.co.jp/products/tote.html

投稿者:板垣 江美

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